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サラワク屋台事情 05/05 ラクサ/コロミー/経済飯 

バクテー(肉骨茶/RM 8.00)ですが、いわゆる、豚モツ肉漢方煮込みです。バクテーは、どちらかと言うと西マレーシアが主流ですが、こちらでも、人気があります。その日の活力をつける為、朝から食べる人が多いです。豚肉、スペアリブ、モツ各種、白菜、大蒜(皮つき)、がバクテーのスープの中に入っております。スペシャルというのがありますが、肉の量が多くなるだけです。何かがスペシャルになると言う訳ではありませんので、ご注意を・・・。今まで食べた中で一番美味しいと思ったのは、ペンディン通りのTOYOTAのショー・ルームの道を挟んで反対側にある屋台にある店です。やはり、スープが味の決め手で、バクテー(肉骨茶)の粉末のパックがスーパーマーケット等で売ってますが、それだけでは、そのお店の味は出せません。コツとしては、この調味料に、醤油、塩、胡椒、大蒜、玉ねぎ、味の素、そして、オイスターソースを少し(本当に少し)、入れると、お店の味に近くなります。

次に、素麺(ミー・スア/RM 8.00)ですが、ソーメンと同じ麺を使ったスープ麺です。鶏肉と椎茸と中国ワインで出汁を取ったスープです。鶏肉のブロックが上にドカッとのっています。あっさりしていますので、体の調子が悪い時に良いです。この料理は、福建省の福州という地域の料理だそうですが、この福州の人々の料理は、一般的に、美味しいというのが評判です。屋台などで、「福州式」と看板に書いてあったら、先ず、間違いない店だと思います。

 ここ迄読まれた方は、きっと、麺や単品ばっかりで、野菜が不足するんじゃないかとか、毎日、飽きないのか、とご心配の方もいらっしゃるかと思いますが、ここで、出てくるのが、経済飯です。英語では、FAST FOOD。ファースト・フードと言えば、日本では、マクドナルドなどですが、こちらでは、経済飯なのです。経済飯とは何かというと、その区画には、20種類前後の鶏肉・豚肉・魚・野菜・牛肉・卵等ありとあらゆるお惣菜が並べてあり、選んだお惣菜をご飯の上にのっけて食べます。頼めば無料で、簡単なスープもついております。標準は、肉2品+野菜1品+ご飯で、RM 6.00~8.00位です。ビタミンが不足する時は、野菜を多めに取ったりもできますし、食材が豊富で非常に経済的です。一度、ビュッフェと間違えて、片っ端から頼んで、結果、肉5品+野菜3品+ご飯となって、RM 15.00を超えた人もいましたが、その時は、お店の人も計算するのに困っていました。



ざっと、代表的なものを並べてみましたが、これだけでは収まらず、色んな食べ物があり、クチンは、本当に食い倒れの街です。尚、今回ご紹介したのは、日本人でも口に合う中華料理の屋台のみです。イスラム教のマレー人の方々は、ここでは食べれません。イスラム教のマレー人は、イスラム教徒専用の屋台やレストランがありますので、改めて、おいおい、ご紹介したいと思います。因みに、マレーシアやサラワクは、多民族国家ですので、皆で食事に行く時は注意しないといけません。一人でも、マレー人の人がいると、豚肉や酒を使っている上記のお店にはいけません。マレー人は豚肉が駄目、ヒンズー教と一部の仏教徒は牛肉が駄目、と言う感じで、その中で制限の多い人に合わせて、食事場所を選ぶと言うのが、こちらでの常識となっています。いずれにせよ、クチンには、多様な中華料理、マレー料理、インド料理を代表に、様々な食文化が混在していますので、食べ物に困るということはありません。

と言う事で、今回は、非常に長くなってしまいましたが、我々は、洒落たカフェよりも、コーヒー・ショップのプラスチックのテーブルや椅子、プラスチックのお皿やお椀、プラスチックのグラス、熱いコーヒーだけは特別にガラスのコーヒーカップ。その傷だらけのコーヒーカップのガラスに映し出される人々。私の好きな味付けを知りつくしてネギを大盛りにしくれるコロ・ミー屋の歯のかけたおばちゃんと、寡黙なミー・スア屋のおっちゃんと、能天気で強引に売りつけてくる肉まん屋のおばちゃんと、常連客の飲み物を知り尽くしている背の低いショートカットのお姉ちゃんと、私のご飯だけいつも多くよそってくれる経済飯屋のしかめっ面のおばちゃんと、1回も頼んだ事の無いチキンライスのはにかんだお姉ちゃんの笑顔。そんな温かい人々がいるトンプソンズ・コーナーに、私はニコニコして、コロ・ミー屋のすぐ傍のプラスチックのテーブルに、そんなに美味しくは無いけどコピ・ペン(練乳入りアイス・コーヒー)を飲みながら、今日も座っている。

「一杯の茶のためには、世界など滅びていい」(ドストエフスキー「地下生活者の手記」)とは思いませんが・・・。

P.S.食べ物の話はとどまる所を知りません。少なくても1日に3回ありますし、その一食一食に何がしかのドラマがあると思いますので、話に尽きません。マレー人の食事や、森の山菜等、追々ご紹介したいと思います。

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