ドリ鍋

ボルネオ島のマレーシア側のサラワク州に住みだして、20数年が立ちます。 その長年の生活…

ドリ鍋

ボルネオ島のマレーシア側のサラワク州に住みだして、20数年が立ちます。 その長年の生活の日々で起こった事などを、書き綴っています。 また、ボルネオの熱帯雨林の大自然や、先住民族の文化などの現在も共有します。

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はじめまして

はじめまして、「ドリ鍋」です。 ボルネオ島サラワク州(マレーシア)20年数年の滞在中に得た、色んな話を少しずつご紹介したいと思います。 真面目な文化や歴史や自然の話、面白い話、謎めいた話、不思議な話等を取り揃えて、ご紹介します。ボルネオ島の風土や文化、そして異文化を感じ取って頂ければ幸いです。 しかしながら、私は、文化人類学や自然科学の専門家ではありませんので、誤った表現や情報があるかもしれませんので、ご了承下さい。 又、誤りにお気付きの方は、どうぞ、ご遠慮なく、ご指摘

    • 世界遺産のグヌン・ムル国立公園 05/05

      秘境のリゾート、巨大洞窟とコウモリ達、そして、アントゥー(精霊) 彼は、一息ついて、続けました。 少しばかり、目が中空をさまよってました。 「そうこうすると、大きな川が出てきて、少し休みました。川は、非常に澄んでいて、中を泳ぐ魚が、よく見えました。 大きな魚、小さな魚、いろいろいました。彼女が、大きな魚を手づかみで取ると、火をおこして、焼いて、食べました。 今までに食べた事の無い、身の引き締まった、少し甘味のある美味しい魚でした。そろそろ、戻らなければ、と思い、彼女

      • 世界遺産のグヌン・ムル国立公園 04/05

        秘境のリゾート、巨大洞窟とコウモリ達、そして、アントゥー(精霊) その彼が、何と、100km先のバリオと言う高地で見つかったとの報告がありました。 でも、この方向は、行方不明になった地点からは、ムル山を超えてさらに、数々の急な丘陵地を越えていかなければいけません。村人達でも、このルートは、よっぽどの事があっても、行く事は困難と言われている道のりです。 その関係者の代表のP氏が、急遽、バリオまで、飛行機で飛び、彼と面会しました。そこで、見た彼は、与えられた洋服をきているも

        • 世界遺産のグヌン・ムル国立公園 03/05

          秘境のリゾート、巨大洞窟とコウモリ達、そして、アントゥー(精霊) 翌日、村人の中で、崖が登る事が得意な青年が、その場所まで、フリークライミングで登っていきました。数時間の苦労の末、辿り着いた後、立体的な赤いシャツは、どうも人では無い様で、持って降りるのは不可能な為、そのまま、下に落としました。 下で見守っていた人は、一同に、落ちたシャツの周りに集まりましたが、その赤いシャツが立体的に見えたのは、シャツの中に枝が沢山詰めてあったからでした。 でも、なぜ?? 皆不思議に思い

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        はじめまして

          世界遺産のグヌン・ムル国立公園 02/05

          秘境のリゾート、巨大洞窟とコウモリ達、そして、アントゥー(精霊) プナン族という民族は、元来(今でも多少いますが)、森の中で移動をしながら、生活をしていた移動狩猟民族でした。 そういったプナン族の人々でも、対照的な農耕民族のブラワン族の人々でも、その先祖たちは、絶対に、洞窟の中には入らなかったそうです。 何故かというと、彼らにとって、洞窟の中は、魔物(アントゥー)が住む場所と考えていたのです。鍾乳石が創り出す岩々は、見方によっては、色んなものに見えます。きっと、そういっ

          世界遺産のグヌン・ムル国立公園 02/05

          世界遺産のグヌン・ムル国立公園 01/05 

          秘境のリゾート、巨大洞窟とコウモリ達、そして、アントゥー(精霊) 2000年、ボルネオ島マレーシアのお隣のサバ州の東南アジア最高峰のキナバル山と共に、ここサラワク州のムル国立公園が、マレーシア初の世界遺産として、一度に2箇所選ばれました。 ムル国立公園は、熱帯雨林の多様な生態系を有するだけでなく、石灰岩層の部分が非常に厚く、巨大洞窟や、非常に長い洞窟などで有名ですが、一方で、未だ全体の40%位しか洞窟調査がされていないので、未知の部分が多い場所です。 ムル国立公園は

          世界遺産のグヌン・ムル国立公園 01/05 

          「トンカタリ」 03/03 マレーシア・バイアグラ 

          トンカタリの話を現地の人とすると、「バイアグラ」的な意味で取っている人も多いので、その話だけで、「下種な話し」と言う風に思われがちですが、実際は、即効性等はほとんど無く(バイアグラの検索でこのページに辿り着いた人には、ごめんなさい、「の様な物」ですのでご了承を)、どちらかと言うと、滋養強壮で、血行によく、特に、女性で、冷え性や浮腫みの多い方に良いそうです。 今では、「トンカタリ」も、市民権を得て、日本の「リボピタンD」も「リビタ」と言う名前でマレーシアでも販売されてますが、

          「トンカタリ」 03/03 マレーシア・バイアグラ 

          「トンカタリ」 02/03 マレーシア・バイアグラ

          私は、「トンカタリ」の存在はここへ来た頃から知ってはいましたが、大げさに言っているのだろう、としか思っていませんでした。 しかし、ある日、森の中で数日暮らす機会があり、そこでは、毎日歩かなければならず、毎朝、足が痛くだるい状態が続きました。 日に日に歩くペースが落ちる私を見かねたイバン族の青年が、夕食後、お茶を出してくれました。こ れが、この世のものとは思えないほど苦く、一瞬脳裏をよぎったのが、「こいつは足でまといだから、ここで殺そう」と毒をもられたのかと思ったくらいで

          「トンカタリ」 02/03 マレーシア・バイアグラ

          「トンカタリ」 01/03 マレーシア・バイアグラ 

          その日は、非常に疲れていました。 夜9時には熟睡状態の私を、携帯電話の呼び出し音が何の容赦も無く響き渡り、私の夢の世界を破壊しました。 寝起きのゆっくりした動きで携帯電話の画面を見ると、とある人からで、なんと時間は深夜0時、こんな時間に電話とはただ事ではない、何か緊急事態発生とおぼろげながら思い電話に答えました。 するとすぐ、「きいたわよ」と言う声。 何を聞いたのかと、不思議に思って黙っていると、立て続けに、「トンカタリすご~~く効いたわよ」との声。 「あ、そうですか」と

          「トンカタリ」 01/03 マレーシア・バイアグラ 

          謎の病気(?)「ラタ」 03/03

          次は、ハードコア「ラタ」ですが、先のパイナップル事件もその部類になるのですが、目の前に起こった事と同じことをする。嫌でもしてしまう。その気が無くてもしてしまうのです。 例えば、その「ラタ」の人が、水の入ったグラスを持っているとします。 その正面にいる人が、グラスを持っていなくても、手を同じ様な形にした上で、手を揺らしてみて下さい。 普通の考えでは、そのグラスをどこかに置けば良いのですが、それもせず、反射的に、水の入ったグラスを揺らしてしまうので、グラスから水が溢れ出しても

          謎の病気(?)「ラタ」 03/03

          謎の病気(?)「ラタ」 02/03

          J君が、「パイナップルを14個くれ」と言った瞬間に、そのおばさんは、その言葉を繰り返した上で、奇声と意味不明の言葉を発したのでした。 これは、「ラタ」のパターンの一つ。 さらに、追い討ちを掛ける様に、J君がパイナップルを投げる真似をしてしまったのですが、おばさんが、パイナップルを丁度持っていたので、そのまま、J君の真似をして、投げたのでした。 普通の時に投げたら、あんなに上手く投げれない筈なのに、こういう時に限っては、顔面ど真ん中ストライクに、プロのラガーマンの様に投げ

          謎の病気(?)「ラタ」 02/03

          謎の病気(?)「ラタ」 01/03

          その日は、知り合い5名+マレー人のJ君とZ君の計7名で行った国立公園(マルダム国立公園)からの帰途でありました。青空が広がる農園の広々とした道路を差し掛かった時、誰かの思いつきで、「皆でパイナップルを買おう」と。これが不幸の前兆だったのでした、今思えば・・・。 道端で果物や野菜を売っている小屋の横に車を止めると、J君が、「いくつ買いますか?」と尋ねながら、勢い良く車を出て行きました。 「一人2個で、14個かな」と言ったのも束の間、小屋のマレー人のおばちゃんに向かって、1

          謎の病気(?)「ラタ」 01/03

          フルーツの王様 「ドリアン」04/04

          食後の対応ですが、ドリアンを食べた後に、お酒を飲んではいけないという、食べ合わせみたいなのがありますが、特に炭酸系アルコールは、控えた方が良いでしょう。 以前、イバン族の村で、ドリアンたらふく食べて、さらに、飲まされましたが、ちょっと体が火照って、気持ち悪かったですね。 イバン族の人は、慣れてますから、こういのは、彼らにとって、常識の非常識の様です。まあ、2~3個の果肉食べたくらいだと問題ないと思いますが、まあ、念は念で、やめた方が良いでしょう。 食べ過ぎて、気持ち悪い

          フルーツの王様 「ドリアン」04/04

          フルーツの王様 「ドリアン」03/04

          ドリアンは、野生のものも含めて、ボルネオ島には、18種類位あるそうですが、通常、果物のドリアンとして食べているものは、1種類で、それを品種改良したものだそうです。 サラワクでは、それ以外に、野生のドリアンで、「ドリアン・イス」と呼ばれるドリアンもあります。これは、一般のドリアンが、楕円形であるのに対し、小振りな真ん丸で、トゲが、針の様に尖っています。 熟しても、臭いが少なく、果肉の部分は、オレンジ色で、甘味はありますが、コクが今ひとつです。 何だかんだ言っても、落ちてす

          フルーツの王様 「ドリアン」03/04

          フルーツの王様 「ドリアン」02/04

          そろそろ、果実の話に入りますが、そんな高い木に登って果実を取るのかと思われるかもしれませんが、サラワクでは、違います。基本的には、果実が落ちるまで待ちます。 ドリアンの果実がある程度熟すと、自然に落ちます。時折、熟す前に落ちる果実もありますが、それは、未だ、果肉の白い部分が(ここが食べる所)固いので、野菜として、スープに入れたり、炒めたりして食べます。これは、無臭です。でも、これも、そんなに美味しいという代物ではありません。 そして、熟したものが自然に落ちたドリアン。落

          フルーツの王様 「ドリアン」02/04

          フルーツの王様 「ドリアン」01/04

          ★「ドリアンを食べる為だけでも、ボルネオ島に来る価値がある」(アルフレッド・ウォーレス) 冒頭の一文は、進化論のダーウィンと同じ説を立てたのにも関わらず、影の存在となってしまった、アルフレッド・ウォーレスの「ドリアン」に関する談話です。 アルフレッド・ウォーレスは、19世紀、ボルネオ島のここサラワクにて、ブルック家の援助により、熱帯の動植物の標本収集をしていました。同氏による、「マレー諸島」(ちくま文庫)と言う本がありますので、お読み下さい。その時代のボルネオ島の貴重な

          フルーツの王様 「ドリアン」01/04