見出し画像

謎の病気(?)「ラタ」 01/03

その日は、知り合い5名+マレー人のJ君とZ君の計7名で行った国立公園(マルダム国立公園)からの帰途でありました。青空が広がる農園の広々とした道路を差し掛かった時、誰かの思いつきで、「皆でパイナップルを買おう」と。これが不幸の前兆だったのでした、今思えば・・・。

道端で果物や野菜を売っている小屋の横に車を止めると、J君が、「いくつ買いますか?」と尋ねながら、勢い良く車を出て行きました。

「一人2個で、14個かな」と言ったのも束の間、小屋のマレー人のおばちゃんに向かって、14個のパイナップルを頼んで、車に置こうとしたのですが、J君が、冗談のつもりで、車内の私の右隣のZ君へ投げる振りをしたのですが、私の左目に、マレー人のおばさんが、J君と同じ動きをしている。

「あ、まずい」と思うも既に遅し、そのマレー人のおばさんは、ラグビーボールをパスする様に、パイナップルが回転しながら、私の目の前を過ぎて、Z君の前方の座席でくつろいでいたY君(日本人)に向かって、真っ直ぐ、さらに回転を強めて、Y君の顔面の中央に直撃したのでした。

「ナイス・パス」とおばさんに言いたかったのですが、既に、笑いが止まらない私とZ君と、何が起こったのか理解していないJ君とY君は、長い沈黙の中で、お互いを見つめ合うしかありませんでした。

Y君は、怒るべきなのか、黙っておくべきなのか、顔は痛いし、何とも困った状況でした。私は、一瞬、「怒る」選択を取りそうだったY君に、事情を説明しました。

J君が、14個と頼んだ時に、「ラタ」と言う病気である事は、分かっていました。 

この「ラタ」と言う病気は、

①びっくりしたりした時に変な言葉を発したり、

②誰かがしゃべるのを聞いただけで、それに追従したり、

③目の前にいる人の行為を、意図せずに真似をする行為にかりたたれ、

④「してはいけない」と思えば思うほど、より的確に真似をするのです。

(02/03)に続く。。。

サラワクで一番パイナップルが美味しい、セリケイでは、大きなパイナップルの像があります。この話が起こった場所とは異なります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?