「歴史とは何か」を読む7 ー歴史的事実とは「現実の人間であり、数であり、個々人の意図とはズレた結果を生じたような事実」であるー

個人として人を見ることと、個人を集団の一員として見ることを区別することは過ちである。362字

また次のようなマルクスの言は正しい。
歴史はなにもしない。歴史は膨大な富を所有しているわけでもなく、戦争をするわけでもない。むしろあらゆることを行い、所有し、戦うのは人間、現実に生きている人間なのだ」

歴史においては数が重要である。ある人物が結婚をためらう理由に歴史家は興味はないが、同じ世代の数千人数万人が結婚をためらい婚姻率が下がるとその理由は歴史的に大事になる。

そして歴史的事実とは社会をなす個人と個人のあいだの相互関係をめぐる事実であり、当人たちが意図した結果とはズレて時には相反する結果を生じるような社会諸力をめぐる事実である。

誰も1930年代の世界大恐慌など望んでもいないし、皆バラバラに行動していたはずなのにそれは起きたのです。


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