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「歴史とは何か」を読む1 ー歴史とは現在と過去の間の終わりのない対話であるー【名著】

「第1講歴史家とその事実」の最後まで。(600字ぐらいです。)

ケンブリッジ大学での講座のしゃべり再現そのままなので、世界史選択者なら読みやすい。

事実とは何か。歴史家とは何をしている人なのか(講演者自身が歴史家)。歴史とは何か。1961年が初版なので、その時どう考えていたのか。様々な事例、著書、歴史的事実をあげながら述べていく(翻訳上手すぎるのもあると思う。)

1。過去の事実だけでは歴史にはなり得ない。事実だけが大事だというのは間違い。

2。過去の事実は、歴史家によって取り上げられて初めて歴史的事実になる。そのため今まで単なる事実だったものがある歴史家によって取り上げられ、他の歴史家にも取り上げられ様々な解釈が生まれ、歴史的事実になることもある。

3。歴史家の事実に対する解釈は、時代背景、経済状況、冷戦下であればどちら側にいるか、など歴史家がどのような環境にいるかで変わる。

4。よって我々が今既知の歴史的事実としていることも、遥か昔の当時の人によって取捨選択された事実である。

5。だからといって歴史家の数だけ解釈があっていい、ということにはならない。事実と解釈の狭間で自らの解釈を作り上げていく。

最初の答。歴史とは何か。「歴史とは、歴史家とその事実の間の相互作用の絶え間ないプロセスであり、現在と過去のあいだの終わりのない対話なのです。」

この第1講だけでも歴史に興味がある人は読んだ方がいい名著です。

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