「ヤバい経営学」を読む17ー均一化する取締役は高校時代の人気者が集まっただけの集団のようなものー

取締役というエリート仲間たち。
エリートたちは自治組織を作り上げる。調査によれば、アメリカの各業界のトップ企業において経営者や取締役はいわゆる同種のエリートであり、それはまるで高校時代の人気者たちの集まりのようなものだ。

企業の経営者は他の企業の取締役を勤めていることが多い。そのため取締役会として経営者の行動を制限するような案に賛成を投じると嫌がらせが始まる。大事なミーティングに呼ばなくなるなど。ほとんど高校でのいじめと同じではないか。

そうしたことをえて、取締役はクローンだらけになる。自分の後継者に自分と似た人物を指名するのだ。特に経営者が長期に渡って同じ人物だったり、業績が良かったりするとなおさらだ。権力には逆らえない。

そうやって同じような人ばかりが経営者となり取締役となると何が起きるか。それは戦略の画一化である。もしこれと前の章で取り上げた成功の罠が重なったらどうなるか。それは明らかだろう。