イサム・ノグチ 発見の道

8月21日(土)少しグレーな空模様の中、お散歩行ってきました。
会期終了も間近となった「イサム・ノグチ 発見の道」

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20世紀を代表する芸術家イサム・ノグチ(1904–1988)は、彫刻のみならず、舞台美術やプロダクトデザインなど様々な分野で大きな足跡を残した人物。
しかし、彼は生涯を通じて一貫して彫刻家であり続けました。
晩年の石彫はその到達点というべき世界です。(作品リストより)

まず無知が故の初歩からです。
なぜノグチイサムと書かずにイサム・ノグチなのか?と頭の片隅にクエッションを携えていたが、展示室の彼の映像を見て解決。アメリカ人、いや、正確には日本人の父と、アメリカ人の母を持つ日系アメリカ人だったのです。
とはいえ第一印象は青い目の海外の方という感じでした。

アメリカで生まれて3才の時に日本へ。
アメリカ人には日本人だ、日本人にはアメリカ人だと差別を受けアイディンティティの葛藤に苦しんだ。詩人であった父親との関係も非常に複雑なものだったそうだ。それでも日本のことは本当に好きだったという。

作品にも日本の伝統的な風景や精神などが色濃く息づいていました。
むしろ日本人が日本の美を感覚的に捉えているだけで、真に見ていないものを
ノグチさんは奥深く深淵までを真剣に見ていたんじゃないかなと思いました。

雲の山、座禅、お地蔵さんなどは実に日本的で何だか凄く微笑ましい作品。
一方コーヒーテーブルや、真っ赤なプレイスカルプチュアは洗練されたデザインで海外の風景を感じる。

そしてなんと言っても展示室を入るとすぐに目の前に広がるインスタレーション。
『あかり』
圧巻でした。実に美しい体験。
静寂の中で目にしたら一層、美しさに溜息をついていたに違いない。

和洋が混じり合った展示室を歩いていて一つ気づいたことが。
作品によって心躍るような気分になるものもあったが、
日本的なるものを見て美しいと思った時、
自然と心が静かになり温かいものに満たされる感覚があった。
この感覚は一体何なのか。

日本の文化を大事に、時に“真剣”に見ていきたいなと思えた、
そんなお散歩でした。

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