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近代仏教人物誌

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近代を生きた仏教者たちの諸相。『仏教人物の事典―高僧・名僧と風狂の聖たち』(学研,2005年3月)や『中外日報』連載「近代の肖像」への寄稿等を再録しました。
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#チベット仏教

多田等観

多田等観

ただ とうかん/1890~1967年/トゥプテン・ゲンツェン/浄土真宗本願寺派(西)/『チベット』『西蔵撰述仏典目録』/チベット留学僧

秋田市土崎港の西船寺に生まれる。友人の誘いで上洛していた時、大谷光瑞の命でチベット留学僧の日本語学習の相手をつとめ、秋田弁を教え込んだ。明治45年(1912)3月にはインドでダライ・ラマ13世と謁見し、そのチベット語学力に感激した13世からチベット名トゥプテン・

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河口慧海

河口慧海

かわぐち えかい/1866~1945年/慧海仁広/黄檗宗/『チベット旅行記』『在家仏教』/日本最初のチベット旅行者

和泉国(現大阪府)堺市の樽桶職人の息子。夜学時代に読んだ『釈迦一代記』を縁にして仏教を知った。明治21年(1888)、上京して哲学館に入学。2年後には寄宿先の黄檗宗五百羅漢寺にて得度、住職となるがすぐに辞職。黄檗宗の宗門改革を叫んで大暴れするも、嫌気がさして放り出す。

漢訳仏典に

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