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舌のはなし その2

舌の話題が多くなります。舌がどれくらい重要か頻繁に痛感しているからです。

舌は繊細で、あるべき方向でない方向で定着させてしまうと恐ろしい結果になるので、うかつに手を出せない部分で本当に難しいです。しかしあと一歩の歌手が決め手は舌だった、ということが大いにあり得ると思っています。

舌でどんなことが出来るのかというと

1.喉が開く(咽頭腔の適切な状態の確保)

2.発音が適切に明瞭になる

3.音程を正せる

4.身体の支えを作ることができ、結果的に息の長い歌が歌える

と、重要極まりない場所です。

私の生徒を見ていると、舌が使えていないために喉が絞まりやすく、発音に癖があり、音程が上がりきらない、あるいは上ずる、身体を支えられない現象があまりに多いです。歌っているときの舌って意外にちゃんとした場所にないものです。長年歌っているから自然に良い場所に落ち着いているということはないようです。たいていは寝過ぎています。脱力し過ぎています。これでは身体の支えが保てませんし、正しいブレスはしにくいです。

現状で舌が最優先事項でない場合(他にもっと先に取り組む課題がある場合)は多く、舌の扱いに本格的に取り組めるのは上級レベルになってからかもしれませんが、初学者のうちから大きなズレは直しておく必要があります。舌を制する者は歌を制する、は大げさかもしれませんが、一理あると思っています。


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