一生もののカルチャー

一週間前くらい前に立ち読みした雑誌で、
クリエイター50人が、
影響を受けたカルチャーをピックアップしていた。
ただし、一生ものの。
ジャンルは、本と映画と音楽とアート。
上記の4種があると、その人の趣向を角度を変えてみれる。

こういうのを自分で考えるのも面白いので、一週間考えた。

私の場合、16~20歳ころに体験したものが、
それぞれのジャンルの、感性の基層になっていると思うので、
そういう意味では「一生もの」なんだけど、
今後もそれを体験するか、となると、ちょっと違ってくる。

もう、「余生」に片足入れた状況ではあるが、
現時点で興味を継続しているカルチャーを選んだ。

本     「花鳥風月の科学」 松岡 正剛 著
映画    「ワンダフルライフ」 是枝 裕和 監督
音楽    「The Melody at night, with you」 Kieth Jarrette(piano)
アート   「鳶鴉図」 与謝 蕪村

nakaの一生もののカルチャー(2023/ 9/16 現在)


松岡正剛さんが千夜千冊で紹介した本を集めているのですが、
どうしてそうなったか、松岡正剛さんへの近づき方も含め
何段階かはあるわけです。
それでも、この本あたりがきっかけで、
「よし、集めよう!」となったんじゃないかと思ってます。

十章仕立てで、
「山・道・神・風・鳥・花・仏・時・夢・月」という章題。

脚本家の林秀彦さんが、最後の著書「憎国心のすすめ 知痴民族の未来」の
最後の方で、書かれていた言葉。

もし、世界中の人が、理に行き詰まり、窒息状態にあるいま、この日本語の感覚を普遍化させることができたら、どんなに人類は救われることだろう!

「憎国心のすすめ」 P. 251

「日本語の感覚の普遍化」が、
 松岡正剛さんの意志として、あるのだと思っている。

(1冊目、中古品で蛍光ペンのアンダーラインが気になり、
 最近、2冊目を購入。ブックオフオンラインで約500円。)


1998年の映画だが、観たのは、五年くらい前。
是枝監督の二作目だが、一作目が宮本輝さんの原作「幻の光」なので、
実質一作目と、受け取っている。
ストーリーは、
人が死んだら、
この世とあの世の「中間地点」へ行くことに。
この「中間地点」ですることは、
自分の一番大切な思い出を映像化すること。
これをしないと、あの世に行けないので、
「中間地点」の職人として居続け、
映像制作のお仕事をすることになる。

そういった内容なので、この映画を観た後に
それぞれの人が、「自分の大切な思い出とは?」を
考えることになる、と思う。

(「長く生きすぎた。」と言っていた父に、何年か前に贈ったので、
 手元にDVDは無い。「(俺に)父親はいない!」と言っていた父は、
 この映画を観て、何を想ったろうか?)


1999年のアルバム。
キース・ジャレットが、慢性疲労症候群の闘病から復帰し、
奥様に捧げたプライベート的な音源かと。

私は、四人の方に、このアルバムをプレゼントした。一方的に。
会社の同僚、居酒屋のおかみさん、ご主人をなくされた会社のOG、
2020年 2月、四半世紀以上ぶりにお会いしたご夫婦に。

kieth jaretteを聴き始めたのは、1990年頃。
この1999年のアルバムは、自分では買っておらず、旧友にいただいた。
今は離れてしまったが。
1990年頃、旧友は、Kieth Jaretteを認めていなかったのだと思う。
(音楽家でもない者が、認める・認めない、も無いのだが。)
私は、周りに「ジャズではない」と言われても、
好きなものは好きなので、「好き」だと言っていた。
「Death and the flowr(生と死の幻想)」を良く聴いていた。

1999年のアルバムは、旧友も納得したのだろう。


本、映画、音楽は選べても、
影響を受けた一生もののアーティストは、
私にとってはなかった。
でも、せっかくなので、あえて選びました。

雪降る中、寄り添う二羽の鴉の水墨画(南画)。
どうも惹かれる。鳶の水墨画とあわせて一対。
京都・出町柳にある美術館にあるようなので、
近いうちに観ておきたいと思う。
あと、観ておきたいのは、
長谷川等伯の「松林図屏風」(水墨画)。
こちらは国立博物館だったか。
東京だけど、十年以内には観ておきたい。


さいごに。

漫画   「カムイ伝」 白土三平 

この漫画を、一生ものの本として選ぼうとしたけど、
ちょっと「ジャンル:本」とは違うかと感じ、
かといって「ジャンル:アート」でもないなぁ、と。

当時、「カムイ伝」「カムイ外伝」を見て、
力をもらったし、心もほぐれていった、と思う。
初めて読み通したのは、20代半ば。
今、読み返すのは、「カムイ外伝」と「カムイ伝 第二部」が多いかな。


note をされている方々は、既に今回のようなことをされているのだと思う。

気が向いたら、こちらのコメント欄にもご記載いただければ、嬉しいです。