見出し画像

中高年以降は貯金ならぬ貯“筋”です!!


 2年ほど前、60歳の定年を、同時に迎えた男性職員2名がいました。

 2名とも、嘱託員として、継続雇用の道を選択しましたが、その後の展開は大きく異なりました。

 仮に、Aさんとした方は、明らかに見た目年齢が70代と感じられる方で、歩き方もよたよたとおぼつかなく、やせ型で、働くのは大丈夫かなと思うような人でした。

 もう一方の仮に、Bさんとする方は、見た目が50代でも通用する方で、シャキシャキ歩き、趣味の一つは献血という、結構しっかりした体格の人でした。

 ある医師によると、「60歳の時に、50代に見える人と、70代に見える人がいるが、それはそのままその人の“予後”を表している。」との指摘がありました。
 ※予後とは、「病気にかかった者について、その病気がたどる経過と結末に関する、医学上の見通し」のことです。

 つまり、端的に言うと、60歳時点で、50代に見える人は、それなりにその後長く生き、70代に見える人は、あまり長く生きないことが予想される、ということなんです。

 で、話を元に戻すと、70代に見えたAさんは、何と、60歳の定年から、2か月で、急死(病死)してしまい、単身赴任のアパートで孤独死しているのを発見されました。

 一方の見た目が50代のBさんは、今も、シャキシャキ歩いて、元気はつらつで、献血習慣も続いています。

 ここでの見た目は、肌の色つやといった点も重要なんですが、やはり、歩くときの姿勢や歩行速度に着目したらどうかと思います。

 つまり、60歳の時に、歩くときの姿勢が悪かったり、歩行速度が極端に遅い場合は、その後の展開が、ヤバいかもしれないのです。

 先のAさんのように、急死されなくとも、将来の介護状態につながる恐れがあります。
 ※年を取って手助けが必要な状態、あるいは、介護状態に近づき、心と身体の働きが弱くなってきた「フレイル」(虚弱)と呼ばれる状態である可能性があります。

 フレイル予防には、大きく言って、2点あります。

 ズバリ「運動」と「食事」です。

 「フレイル」とは、単純に言って、身体の筋肉が減少している状態なんですね。

 筋肉が減少しているから、姿勢が悪くなり、歩行速度が落ちるのです。

 特に、大切なのは、下肢の筋肉です。

 下半身には、特に大きな筋肉が多く、全身の筋肉量の60~70%が存在していると言われています。

 したがって、筋肉が落ちると、姿勢が悪くなり、歩行速度も落ちるのですね。

 そのためには、運動が大切ですが、中高年以降は、あまり激しすぎず、しかし、筋肉は落とさないような、例えば、ラジオ体操や特に下肢を鍛える四股踏み(スクワットでも良い)などは非常に効果的と言われています。
 ※中高年以降の激しい運動は、ケガにつながりかねませんので、注意が必要です。

 また、食事も大切です。特に、筋肉を構成するたんぱく質に目を向けましょう。

 日本人は、基本、米食ですが、白米は、たんぱく質を構成する体内で合成できない必須アミノ酸のうち、「リジン」の含有量が少ないですから、それを補うような、「リジン」の含有量の多い肉類・魚類・乳製品・大豆食品などを取ると良いと言われていいます。

 「運動」と「食事」により、筋肉(特に下肢の筋肉)を落とさないこと、これが、中高年以降はとりわけ大事なんですね。

 これが「貯金」より「貯“筋”」のいわれですが、思い当たる点はありませんか(^^;)。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?