見出し画像

宮崎駿監督『君たちはどう生きるか』?

 夏休みが始まる頃の海の日を過ぎて、映画館も混み合うなぁと思いつつ、宮崎駿監督のおそらく最終作品となるであろう『君たちはどう生きるか』を見て来ました。

 私は、TOHOシネマズのシネマイレージ会員(有料)となっています。

 このシネマイレージ会員は、6回映画を見ると、次の1回の映画が無料となるという大盤振る舞いのシステムですが、この度は、6回見ていて、無料の回でした。

 何を見ようかなぁと思っていたのですが、朝日新聞の天声人語でも見たと紹介されていたこの映画を見ることにしました。

 冒頭にも指摘したとおり、夏休みに入ろうとしている時期であり、観客はかなり多めでしたが、周囲を見まわした感じでは、学生中心と言うより、年配の方も多かったように思います。

 この映画は、前宣伝が、全くと言っていいほどなく、予告されているのは、タイトルと不思議な鳥の絵だけが掲載されているポスター一枚だけという聞いたことのない宣伝スタイルでした。

 ラジオのナビゲーターという、いわゆる業界側の人が、ロードショー初日の7/14(金)前の週の始めの方で、「情報がないので、本当にこの週末、上映されるのかな。」とその番組でつぶやいていたくらいでしたから、本当に情報の秘匿が徹底していたのでしょう。

 今までのジブリ映画は、大変な宣伝とともに、興行が行われていたと言いますから、宮崎駿監督という極めて有名な監督のおそらく最終作品とあって、前宣伝がほとんどないことで、逆に大いなる興味を引き、興行初週の観客動員が良好なのではないかと思います。

 これは、相当なレベルでの常識の逆張りの高等戦略だと思います。

 ということで、見たわけですが、全体的に戦時中の母を亡くした少年を主人公にしているせいか、静かに話が進んでいき、言っちゃぁなんですが、途中・途中で、退屈さえ感じるところがありました(^^;)。

 また、話の場面の切り替えが頻繁にあり、見終わったばかりの感想は、「何だかよくわからない???」というものでした。

 この映画のタイトルである『君たちはどう生きるか』は、戦前に書かれた同名の児童小説から発想を得たものであり、映画の中でも、その小説に触れるシーンがあります。

 私は、その同名の小説について、もう何年も前に、リバイバル版として、挿絵などを刷新して、発行された『君たちはどう生きるか』(吉野源三郎著・マガジンハウス刊)を読んで知っていました。

 この小説は、漫画版としても発行されており、百万部を超える大ベストセラーになっています。

 正直、この小説は、大号泣レベルの小説で、私も、ボロボロ泣いてしまいましたが、この映画の中でも、主人公がその小説を読んで大泣きするシーンが出て来ます(T_T)。

 ただし、この小説とこの映画の筋はほとんど関係がなく、時代背景がこの小説が発行された後である戦時中(昭和19年くらいなんでしょうか。)であることくらいでしょうか。

 なお、出てくる人間以外のキャラクターは、いずれも余り美しい容貌ではなく、あんまり気持ちのいいものではありませんでしたが、逆に人間のキャラクターは、変にクセがなく、容貌が整っていたのは、敢えて対比させているのでしょうか。

 見終わった後、シネマイレージのポイントで、ジュースを無料で交換するときに、映画館の店員に、「映画はどうでしたか?」と聞かれたのですが、「よくわかりませんでした。」とつい言いそうになりました。

 それでも取り繕って、「宮崎駿監督の映画でしたが、“良かった”ですよ。」と言ってしまいました。私のような本音の人は一定数いるのではないかと思いますよ(^^;)。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?