出産 育休 『正社員=安心 安定』とは思わない方がいい
私が今まで生きてきた時間の8割くらいは
「正社員が一番良い働き方」
だと思っていました。
それは、小さい頃から正社員として働いていた父を見てきたからかもしれませんし、社会の風潮から思い込んでいたのかもしれません。
とりあえず
「正社員なら病気をしても、子どもができても福利厚生で何とかなるし、生活に不安は覚えないだろう。」
と思い混んでいたのです。
今から思えば、何故そのように思い込んでいたのか不思議ではあるのですが…
note最初の記事は
自身が正社員として働き、経験した事を
これから結婚や出産を経験していくであろう次世代の新社会人に、同じ鉄を踏んで欲しくないと思い、私自身の経験談を交えてお話ししたいと思います。
私の実体験
私が大学を卒業して最初に就職した仕事は、子どもを対象とした福祉関係の派遣社員でしたが、「やっぱり正社員として働きたい」と3年で退職。
次に着いた職は、現在の豊洲に移る前の築地市場仲卸業者の営業。
晴れての正社員、初めての物販、初めての営業職と初めて尽くしの仕事でしたが
やりがいはあるし、収入はUP!職場の人間関係もまあ、ぼちぼち…下っぱだけど
悪くない仕事で満足でした。
けれど、そんな職場もわたしが結婚して妊娠すると状況が一変。
上司に妊娠の報告後、
総務と面談をするため席についたとたん、総務が発した第一声は
「おめでとう!それで、退職はいつにする?」
…頭が真っ白になりました。将来の事を思って正社員になったのに
総務の中では
『妊娠=退職』
が常識だったのです。
総務に、できるだけ柔らかに
「退職する意志はない」
と伝えると、困ったような顔の総務が連れて来たのが社長婦人でもある副社長。
副社長は、私の斜め前に用意された椅子に座るとコンコンと
「妊娠は大変だよ!力仕事はできないし、安全のためにもいつも通りに仕事はつづけられないし」
「育休をとっても、子どもはよく風邪を引くから今まで通りの仕事は無理だよ」
「きっと居づらさを感じるようになっちゃうし、仕事の変わりは立てられても、子どもにとってのお母さんの変わりはいないのだから育児に専念した方がきっと後悔しないよ。」
といった具合に何とか退職するようにと私を説得しだしたのでした…。
結局、その職場はなんとか産休育休後に復帰したが、綺麗に窓際に追いやられて退職。
完全に私が思い描いていた
『正社員=安定 安心』
を覆してくれたのでした。
まあ、改めて思い出してみても、完全な マタハラ 育ハラなのですが…
その後、個人事業主として働き出してからというもの、あの時の総務や副社長の判断も理解出来てしまうようになってしまいました。
経営者が労働者に求める事
正社員としての責任
経営者にとって、事業で一番経費がかさむものと言えば人件費でしょう。
けれど、だからといってどんなに優秀な人でも、1個人ができる仕事量には限度があります。
人件費がもったいないからといって社長一人で会社のすべての業務を行っている会社があるとしたら、その会社の儲けは大したことないでしょう。
一般的に企業は、儲けるために人が必要だけど、一番かさむ経費は人件費というジレンマに常にさらされています。
そんなジレンマの中、経営者は
「全ての従業員には給料に見合った働きをして欲しい」
と少なからず感じているのではないでしょうか?
まして、福利厚生までしっかりつけ、給料もパートなどより高く設定した正社員ならば尚更です。
「給料の安心と保証を与えるのだからその分の責任を果たせ」と…
けれど、前途の私がそうであったように、そういった経営者の思いは、案外労働者には伝わっていないものです。
というか、そこまで考えてないと言うべきでしょうか?
「産休育休があるから、子どもが出来ても安心」
くらいにしか思ってないのです。
この感覚の違いに気づいた時、当時の総務や副社長の態度にストンっと納得がいったものでした。
…まあ、今の私だったら社会への問題提議も込めて司法へ…となったかもしれないけど、それはまた別の話。
あなたの会社はどうでしょう。
これから出産や男性育休を考えてる方は
ぜひ一度、自分の会社について考えてみましょう。
あなたの会社はどんな会社でしょうか?
大企業?
中小企業?
どんな職種?
男女の比率は?
経営者はどんな人?
これらの事を客観的に考察してみてください。
資産が豊富な大企業であれば、中小企業に比べて育休は取りやすいでしょう。
男性が多い職場であれば、出産 育休に対して理解が少ない可能性が高いでしょう。
大企業でも男女の割合に大差がない企業でも、経営者が育休に対しての理解が少なければ居づらくなってしまうでしょう。
もしも、あなたがライフワークの中で
「子どもが欲しい」
「育休を取る」
と考えているのであれば、正社員であってもその時になって思わぬ障壁にぶつからないように考察してみることをおすすめします。
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