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next to normal観劇記録

2022年4月9日(土) シアタークリエ

何の予習もせずに行きました。
チケットを申込みする時になんとなくあらすじだけは見た気がしたけど、すごく前だからもちろんすっかり忘れていたわけで。
個人的な感想は後半に書くとします。


お目当てのはっしーはヘンリーという役がとても似合ってた。
君の何もかも全てそのまま受け止めるよ的な優しさって物凄く疑わしくて、どこかナルシズムみたいなものが見え隠れするなって思うのだけど、はっしーがこういう言葉を言うと説得力があって信じたくなるんだよなぁ。
この人になら全て委ねてもいいかもしれないと思わせてくれる。
はっしーのこういう無償の愛を示せる雰囲気と言うか、それを感じさせてくれるパワーに最近私は救われることが多い。
ヘンリーも決してperfectでもnormalでもないけれど、ナタリーを救いたい、支えたいという気持ちには偽りがないことがヒシヒシと伝わってきた。
今回私はひたすらにナタリーに感情移入してしまったので、ヘンリーが現れてくれたことに本当に救われたよ。
ピュア過ぎてちょっと危なっかしいところがキュートで、でもちゃんと強さがあるヘンリー。ナタリーはヘンリーが現れてくれたことでこれからの人生では自分の幸せをちゃんと見つけられるといいな。誰にでもヘンリーみたいな人が現れてくれるわけじゃないから。
ヘンリーと出会えたことはすごく幸運なんだよ。そのことにナタリーが気づいてくれるといいな…。
錚々たるキャストさんの中で頑張っていたはっしー。
切々と込み上げる感情を美しく繊細に歌声に乗せることができるはっしー。今回もその歌声の良さが出せていたと思う。偉そうに欲を言えば、ファルセットがもう安定して出るようになるといいなと思った。
帰宅してから調べたら初演の時にヘンリーを演じたのは今をときめく松下洸平さんだったのね。
はっしー、いい役もらえたね!!←


周りのキャストさんが素晴らしい方たちばかりで、楽曲も良かった。これは良いミュージカル。
Osloぶりの安蘭さんはお芝居も歌声もやっぱり一流だった。
ずっと気になっていた海宝さんは想像以上。歌声の力強さがレベル違い。途中、会場の壁が壊れるんじゃないかと思うくらいだった(笑)
昆さんは体が小さいのに歌声がパワフルだし、声そのものが魅力的だった。どうしようもない怒りや悲しみを抱え込みすぎてしまっているナタリーを素敵に演じてた。
岡田さんは役者さんのイメージが強かったから歌声を聴いてビックリ。
新納さんは良いキャラだなぁ。はっしーとの舞台観に行きたかったな…。


良きミュージカルだったけれど、今観るにはテーマとしてはすごく重かった。
いろんなことを考えさせられた。
ダイアナは双極性障害を16年患っていて、もう極限までいっていたけど心が壊れると人ってこんなにもボロボロになるんだなってそれが怖かった。
生きているのに死んでいる状態。
それでも命が繋がっていることがすごく恐ろしいなと思ってしまった。
normalってなんだろう?
私も今個人的にこの問題に苦しんでいるところ。
normalじゃないと、人権がない。
normalじゃないと、幸せを感じる資格がない。
手が届かないnormalを追いかけ続けて疲れ果ててる。
人は一人一人違うのに、normalであることがまず大前提に置かれている気がする。だからnormalじゃないとすごく生きづらい。
でもnormalの隣にだって幸福があるのに。
私はこの問題に向き合うことを始めたばかりなんだけど、ちゃんと光が見えてくるといいな。