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クラブミュージックのドロップのクオリティを上げるコツは「フィル」と「ゴーストノート」にあるっぽい(前編)


気付きに基づく記事なので~~っぽいみたいな文面が多く見受けられます

・クラブミュージックのドロップの概要

(1:38~)

雑に解説すると主に「リズム隊・ベース・ドロップシンセ」の3つだけが鳴るパートをドロップと呼ぶ傾向にあります。ドロップシンセは明らかにベースに主役を譲ろうとしてるシンセです(クソ雑)

ドロップの醍醐味は「音数を少なくすることで出来るだけ音そのものを楽しめるようにする」ことで、しばしばキックとベースが合体したりベースとドロップシンセが合体することで更に音数が減ることもあります。

・キックとベースが合体する例

Booyahの登場回数が多いのはとりあえずBooyah出しとけば面白くなると思っているからです。


・音数が少なくなる結果

メリット:低音を響かせやすくなる。なんかカッコいい。

デメリット:一度に鳴らせる楽器の数が減るので変化をつけにくくなる。複雑なリズムを作ろうとするとゴチャゴチャし、分かりやすいリズムしか置けずに変化をつけにくくなる。


このデメリットである変化のつけにくさを解消するためのコツが「フィル」「ゴーストノート」となります。

今回はフィルだけでめちゃくちゃ書くことが多かったのでゴーストノートについては後編で解説します。


・フィルについて

ここではドロップの構成要素じゃないものをサッと入れてきたら全部フィルに認定します。

試しにこの曲で1:19あたりからどのくらいフィルが使われているか数えてみましょう。

1~2小節目:フェイクドロップと呼ばれるドロップに入ると思わせての溜め行為。雑に入れても変化が付きやすいのがポイントです。
7小節目:2拍目と4拍目にライドシンバルが乗る。
8小節目:リバースさせたクワイヤのような何かが入る。3拍目でシャウトが入る
9小節目:シャウトが続き、2拍目でドラムロールが入りながら切る。


こういう感じの集計方法で適当にグラフ化しました。

集計対象:PhaseOne - Crash & Burn (ft. Northlane)、Showtek ft. We Are Loud & Sonny Wilson - Booyah、RIOT - Overkill、Darren Styles, Dougal & Gammer - Stay Young

ある程度ジャンル・BPM・年代が被らないように集計してみましたが、いずれにせよフィルが結構な頻度で入ってることがわかるかと思います。


・フィルのコツって何かあるのかな

みんなとりあえずフィルを入れまくってることは確認しましたが、視聴者的にはフィルはフィルでなんか上手くなるコツとかあるやろ!ってなってそうなのでフィルの出身は?年収は?調べてみました!






日本フィルハーモニー交響楽団首席指揮者ピエタリ・インキネンが、あの「バイロイト音楽祭」において超大作『ニーベルングの指環』全曲(2020年のニュープロダクション)の指揮を託されるそうですね!ピエタリ・インキネンさん頑張って下さい!

以上、ピエタリ・インキネンさんの情報でした。


・フィルに必要なのは「変化の予兆」

先ほど出したフィルに関するグラフをもう一回確認しましょう。

クラブミュージックはDJが曲を繋ぐ都合上16小節ごとに展開するお約束がなんとなく存在し、その半分である8小節目に大きめのフィルが置かれることが多いです。そして、グラフを遠目に見てみるとなんとなく8小節目に向かってグラフが右肩上がりになってるのが分かるでしょうか?

これは8小節目のフィルを聴かせるに当たってリスナーに心の準備をさせる効果があります。音楽を聴いてるだけなのに心の準備をさせる必要などあるのかと思いますが、実はこれがクラブミュージックの面白く感じる要素と密接にかかわってきます。


・緊張と解放とフィル

クラブミュージックの展開は大まかに「緊張」「解放」の二種類に分けることができます。この二つを使い分けることによって暴力と謝罪を繰り返すDV彼氏がごとく中毒性のある曲になったりします。

さてここではDV彼氏を例にそれぞれの関係性を説明しようと思いましたが、絵面が酷いことになりそうだったので犬の待てとよしを例に出して説明します。DV彼氏が好きな人は頭の中で勝手に置き換えてください。


・例える

ドロップは「開放」に位置づけられます。事前にビルドアップで十分に焦らされているので犬もここぞとばかりに食いまくり、飲みまくります。

しかし、曲のテンションと犬側のテンションをグラフにすると大体こんな感じになります。

開放されて長いこと経った犬はお腹いっぱいになり、目の前にエサを置いても満足度が上がりません。これが冒頭でお話したドロップのデメリットである「変化がつけづらい」に相当します。


なのでフィルを巧みに使いこなし適宜エサを没収しましょう


・没収と心の準備

当然ですが、飯を食ってる途中でいきなり飯を没収されたらビビリませんか?少なくとも僕はビビる。

なので飯を没収する正当性をつけてあげる必要があります。


①あらかじめ没収すると宣言する

没収されるって先に分かってたら没収される心構えが出来そうな気がします。でも没収するって宣言されるのめちゃくちゃビビりませんか?少なくとも僕はビビる。

あと音楽で宣言するのって「これからフィルに入ります!」って声ネタを入れることになりそう。なんだこのクソ曲…


②予備動作を入れる

そこで僕はモンスターハントする家庭用ゲームに倣いました。


モンスターが手を振りかぶったら攻撃するのがなんとなく予測できるのでプレイヤーは攻撃を避ける、そして予測通りに事が進んだことにより快感を得る・・・



これを作曲用に言い換えると、「フィルが来るのがなんとなく予想できるようにフィルを組み立てるとリスナーは予測と行動の快感が得られ、より曲を長い間楽しめるのではないか?」になります。

その結果、「心の準備をさせる用の予備動作のフィル」フィルを巧みに操るコツという結論になりました。



というのがこのツイートで詳しく解説されています(直感のデザインの項参照)。

https://twitter.com/kajikent/status/1161973880333852672?s=20


・終わり

具体的なフィルの扱い方は人によって千差万別だったりこれ以上手の内を明かしたくなかったりするので自分の好きな曲を分析して体得するといいんじゃないかと思います。がんばえ~

多分後編(ゴーストノートについて)もこんな感じで書いていくわよ いつ書き終わるかはわかりませんが…

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