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【読書記録】たちどまって考える

 以前のnoteで紹介した『妄想美術館』を読んでから、新たに興味を持ったことがあります。

 それが、ヤマザキマリさんの他の作品も読んでみたいということでした。
 図書館で早速借りてきて読んだのが、この『たちどまって考える』というエッセイです。

 新型コロナウイルスが流行し始めてから約半年後に出版された本で、コロナ禍の中でヤマザキマリさんが感じたことが書かれています。

 印象に残った文章がたくさんありました。

●責任を伴った決断ができるかは、どれだけ熟考してきたかという経験値と比例する。

●耳の痛いことを避けず、面倒からも目を逸らさず、この時間をいかに過ごすかによって未来は変わってくる。

●内側に知力という抗体をつくることで、突発的な物事にも対応できるだけの思考力を鍛えることができる。

 これらの文章から、「考える」という行為が生きる上でどれだけ大切か、ということが感じられます。

 ヤマザキマリさんが考えるという行為を大切だと言うのは、イタリアで長く暮らしてきた彼女が身を持って感じてきたイタリアの国民性が関係しているのだと思います。

●欧州の人々は、何事もまず疑う。それは彼らの文化的な思考力であり、生存のための知恵でもある。

●「疑念」こそが、社会の質を高め、栄養素の多い環境社会をつくり上げていくきっかけとなる。

 この本では他にも、イタリアに関することが多く書かれてあり、イタリアに興味のある私にとっては面白く、新しい学びがありました。

 日本とイタリアの比較も興味深かかった1冊でした。

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