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岩手プチ旅:再び遠野へ

午前中だけの短い花巻観光を終えて、前日と同じ時間の釜石線に飛び乗って再び遠野へ。お祭りは最終日でしたが、どちらかといえば午前中の流鏑馬がハイライトっぽかったので、その時刻の電車は前日ほど混んでいませんでした。

私は地元にわりと大きめの神社があって四年に一度、流鏑馬やるので、流鏑馬はまぁいっか、と思い、以前から行ってみたかったカッパ淵を目指して、観光案内所で自転車を借りました。電動は出払ってたけど、普通の自転車は午後でも十分借りられました。

遠野の観光案内所「旅の蔵」は外国のお客さんも多いからかトイレやなんかもすごく綺麗でおされなカフェも併設してるし、コインロッカーも十分あり、コインシャワーまであるので、ツーリングの人とかも便利だと思います。

お昼ご飯は南部曲り家を保存している伝承園で食べるつもりだったのですが、意外な距離に苦戦しました。

前日にもらった手書きの町内の案内地図を見たときは、遠野八幡宮まではぺろん、と歩いていけそうな距離に見えたんですが、市街地を出てから結構ある。歩けるっちゃ歩けるけど、歩いたら30分はかかるなって距離。そこが伝承館への中間点より、はるか手前なんです。

町中だけの地図って詳細なので、実際の町より地図の方が広く見えるものですが、実際歩いてみて、なーんだこの程度で町外れまでくるのか、と思っちゃったもので、町の外の観光施設の地図もそれぐらいの縮尺みたいな気分になってたのです。しまった!と思いました。

結構走ったな、というあたりでよくやく遠野郷八幡宮近くに着いて、山車とすれ違いました。

お祭りは遠野八幡宮ではまだ続いています。このあたりでは、カメラおじさんが脚立持ってウロウロしてました。

そうそう、遠野まつりはカメラおじさんが多い祭りでした。なんせ三社祭とか祇園祭ほど混んでないので、エキゾチックな装束の子供の写真とか近くで撮れるし、アマチュア写真家には美味しいイベントなんだと思います。

でも、パレードの山車の目の前に飛び出すアマチュアのカメラおじさんとかが多くて、危険ですからやめてください、とアナウンスあってもどかなかったり、マナーはイマイチだったなぁ。撮り鉄のマナーはよく問題にされますが、お祭り写真おじさんたちも、皆さんお行儀よく他の人の迷惑にならないよう撮影を楽しんで欲しいものです。

地図には伝承園まで5キロって書いてありますけど、これ行きは緩やかな下りが多く、帰りは必然的に長く緩やかな登りが多くなります。電動アシスト無しのママチャリ借りた人は、そのへんも計算して自分の体力続く限度で引き返さないと、大変なことになると思うので要注意。

こんな感じのだらだら続く下り坂、これが帰りには上り坂になります。

デンデラ野も行ってみたいなーとか思ってたけど、頭の中で即座に軌道修正しました。なんせ釜石線の電車の本数が少ないので、無事に帰りの電車に乗らないと、ホテルにまたまた夜中に着くことになってしまいます。

八幡宮をすぎたら本当にお店どころか民家もない国道が続いて、到着しないことには食事できる場所もなさそうなので、黙々と自転車漕ぎました。

狐の関所だけは一応登ってみたけど、あとはもうストイックにペダルを踏むのみ。

ランチタイムに間に合わなかったら飢え死にしちゃうと思ったんですけど、無事に2時半ぐらいに伝承園に到着。

正直、暑かったんですけど、せっかくだしとひっつみ汁をいただきました。そばとデザートのけいらんもついて、少々ボリュームにたじろいだけど、自転車で走ってお腹空いてたので完食しました。

南部曲り家では、語り部さんの遠野弁でのお話も聴くことができました。オシラサマの成立にまつわる伝説のほかに、オリジナル現代ものの振り込め詐欺の話とかも聴かせていただいて面白かったー。

東京にいると東北の人は無口、みたいなステレオタイプなイメージがありますが、少なくとも今回岩手を旅した感じでは無口なイメージなかったなぁ。むしろ、話しかければ、お喋り好きな方ばかりでした。以前、新潟に行った時はまた印象が違ったので、日本海側と太平洋側で違うのかも知れない…秋田に行って確かめてみたいです。

南部曲り家の建物の中のハイライトは、やはりオシラサマのいる御蚕神堂でしょう。

こんな感じ。エキゾチックです。暗くなってから一人で行ったらちょっと怖いかもしれないけど、昼間だったしそんなにおどろおどろしい感じはしませんでした。お賽銭払って、好きな色の布に願い事を書いて、オシラサマに着せることもできます。

下の方のカラフルなのは、そういう風にして観光客が着せていったもの。上の段のものは、布も焦げたように変色していて、随分古い時代のもののようでした。

これが馬頭と娘の頭のセットになってる理由としてオシラサマ伝説があるわけですが、結構色々バリエーションがあるので探すと面白いと思います。異類婚姻譚の中でも興味深いバリエーションだと思う。

縁側のとこに近所のおばあちゃんたちがいて、トウモロコシの皮細工の馬のチャームや豆や栗を売ってたので、私思わず栗を買ってしまいました。数百円のものですが、製作者の名前がシールでついてて、売れたらそれぞれのおばあちゃんたちのお小遣いになるみたい。

デンデラ野は諦めたけど、カッパ淵には行きたかったので夕方前に伝承園を出ました。出るとき、看板ネコちゃんにも会いました。

おすまし。

にゃーん、と話しかけるとお返事してくれます。

カッパ淵へは伝承園から徒歩10分ぐらいです。お寺の敷地の中を通って少しいくと川が流れてて、看板が出てます。

頭がカッパのお皿になってる狛犬ちゃんがいる。

頭がぱっくり割れてるみたい…このお寺のお賽銭箱のあたりにもお寺の看板猫ちゃんがいて、のんびりとお昼寝してました。

カッパ淵はお寺の裏。

小さな橋を渡るとすぐです。

こんな感じ。お金を払ってキュウリやピーマンをエサにしたカッパ釣りにもチャレンジできます。もったいない。普通に食べたい。と思いましたが…

こんな祠もあります。

川というか淵というか、淀みの水はポコポコと音をたてていて、なかなか雰囲気がありますが、いかんせん観光客多いので、カッパは出てきそうにありませんでした。早朝とか、人がいない時間に行ったら、もしかすると出会えるかも知れません。

カッパ淵は鄙びてるけど、そこそこ観光地化されてて、私的にはなんとなく「なるほど、河童のクゥに出てきた。」っていう感じで、テストの答え合わせしてるような気分だったんですが、カッパ淵そのものより、その先に開けた田んぼの稲の色の明るさとか、国道とお寺の間の道沿いの打ち棄てられたようなビニールハウスの骨組みとか、そういう風景の方が、強く印象に残りました。

なんていうのかなぁ、カッパ淵そのものは、たぶんまた来れば同じものが見られるんですけど、こういう風景は一回きりしか見られないような気がします。

夕暮れ時の国道をまたキコキコ自転車に乗って帰りましたが、これに乗ろうかな、と思ってた釜石線に間に合わなかったので、2時間ほど時間をつぶす必要ができてしまいました。

なんせ2日続いた町をあげてのお祭りがやっと終わったので、閉まってる店が多くて、少しうろついてこんなクラフトビールのお店を発見。

私普段はあまりビール飲まないのですが、あまり苦くないのも置いてたので、ちょっと試してみました。つまみも美味しかったし頼めば一人用のポーションにもしてくれるし、お値段もリーズナブルで居心地のいい店でした。地元の若者と観光客が半々ぐらいの感じだったかなー。

内装も小洒落た感じでなかなか良かった。遠野醸造、おススメです。

とっぷりと暮れてから、二日目の宿泊地の北上に到着。駅徒歩7分、という触れ込みのホテルに泊まったんですが、これがまぁ見事な真っ暗闇で。たどり着いたホテルの入り口も、車寄せがデーンとあるけどそこへ至る歩道は申し訳程度の幅しかなくて、ほんとに人が歩くことは想定されてないんだなぁってあらためて感じました。

割と大きなホテルなんでバーもあるだろうと思ってたら、意外とここも店じまいが早かったので、遠野醸造で食べたものが晩御飯になっちゃいました。駅前にこコンビニはあったけど、そこまでまた真っ暗闇を歩く気もしなかったので、最終日の計画を練りながら寝ることにしました。

今回、遠野まつりと高村山荘以外の訪問地は天気予報がイマイチだったこともあり、どう回るか全然決めてなくて、美味しいもの食べに盛岡とか仙台に移動することも考えてたんですけど、天気予報がよくなってきたので、翌日は猊鼻渓まわって帰ることに決めました。

猊鼻渓へは大船渡線なんですけど、これも三連休パスの区間に含まれています。ほんと周遊券って気楽でいいなー。

というあたりで東北2日目終了。最終日のことは、またそのうち。

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