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MOROHA:置いていかれた曲達

MOROHAのライブ@渋谷www x行ってきた。

11月に大阪で3メン見たその日のうちぐらいの勢いでとったチケットが整理番号10番台で、これはもう早退してちゃんと時間に入場せねば、と思ってめちゃくちゃ一所懸命仕事したので、ちゃんとした時間に入れて、最前列で見られた。胸熱。

タイトルどおり、ベスト盤や今回Zepp東京でソールドアウトした単独ツアーでは取り上げなかった曲たちだけで構成するライブ。事前にZeppのセットリストは確認してたんだけど、ほんとに、潔いほど「だけ」のステージだった。有名な曲だからって革命もオマケで入れるとか、そんなことはやらなかった。逃げ道を作らないMOROHAのこういう潔さが好きだな、と思う。

正直、なにやるのかも知らずにチケットとったんだけど、大阪3メンに続いて、こういう親密感のある小さな会場のライブに行けてよかった、と思う。Zeppは行きたいと思った時には満席で、チケット取れなかったから行かなかった。でも私にとっては、このハコとこの順番で行けて良かったな、と思う。

初めてのMOROHAライブ(大阪BIG CAT)は、MOROHA目当てじゃない客がいっぱいいるアウェイの3メンだったから、最初から最後まで胃が痛くなりそうなヒリヒリした緊張感があった。「今日ここにいる3つのバンドの中で、唯一メジャーデビューしてるバンド、MOROHAです」と自己紹介したときのアフロの挑発的な目。どうだ?どうだ?ってひたすら畳み掛けるようなUKのギター。

観客も一緒に歌ったり、モッシュしたりヘドバンしたりして盛り上がるスタイルの他のバンドとは全く異なるスタイルに戸惑う客たちを、圧倒的なリリックと音楽でねじ伏せて沈黙させるMOROHAの姿を最初に見られたのは、すごくいい入り方だったのだと思う。

今回は東京での単独で、2日前にはZeppの単独を成功させたばかり。その勢いで当日券をとったお客もいるし、MOROHAが登場した途端に自然に拍手が湧いて、わぁ、大阪の時とぜんぜん違うな、と思った。

アフロとUKの2人のトークもリラックスした雰囲気で(BIG CATではUK一言も喋らなかったと思う)、アフロのお父さん今日も見にきてるって言ってたし、UKとのお互いのお父さん話とか聞いてると、あー、やっぱ同級生なんだ、ってほっこりした。アフロとUKが違うタイプなのと同じように、アフロのお父さんとUKのお父さんが正反対のタイプなの、和む。

今回のツアーやベスト盤に入ってないというだけではなく、普段のライブではなかなか生で聴けない曲が多かったのだと思う。私は2回目だし、そもそも映画「アイスと雨音」を見てMOROHA聞き始めたばかりだから、どの曲がライブの定番でどの曲がそうじゃないのかとかはよくわかんないんだけど、「あの曲やらないライブなんて初めて」と古参ぽいファンの人がSNSに書いてたし、レアな機会だったらしい。

セットリストは詳しいファンの人がメモっててくれてるのでそちらを。目の前で聴いたサラダボウル鳩尾から君へはたぶんずっと忘れないし、アルバム未収の曲では夜に数えてがすごく良かった。大阪でもやったスタミナ太郎とかVSも好き。テクニカルなことは私にはわかんないけど、パーカッションも兼ねるUKのギターの乾燥した音と叙情的なメロディのミスマッチも好きだ。BIG CATより音響が良かったので、細かいノイズも堪能した。

ベスト盤に入らなかった曲が自分の1番大事な曲だ、っていうお客さんもいるかもしれない、って言ってくれたアフロは優しかった。ホントにそう。ベスト盤にも入らないしライブでもなかなかやってくれない曲が実は1番好き、ってことはある。そういう曲も全部、大切に抱きしめてくれてることが嬉しかったな。

MOROHAの音楽は基本的に優しいと思う。音源だけだとわからないかも知れない、映像だけだとトンがったところばかりが印象に残るかも知れない。でも、ライブで聴けばわかることって、あると思う。それが刺さるのって、CDをすごく聴き込んでるかどうかで決まるんじゃじゃなくて、その時その人が一所懸命生きてるかどうかなんだと思う。

俺らのお客さんって香ばしい人が多いんだ、俺らが香ばしいからさ、って言って笑うアフロの優しさは、たぶん泥臭く懸命に生きてる(生きたことがある)人じゃないとわかんないように思う。でもそういう人たちには必ず届く、そういう種類の優しさだ。

渋谷のスクランブル交差点で信号待ちの人たちのカラフルな服を見ながら、この人たちみんな一人一人にそれぞれの人生があるんだなって思ったら、みんな愛そう、愛せる、って思った、そんな気持ちが、すれ違いざまに肩ぶつかった奴に舌打ちされた瞬間に台無しになった、って冗談めかして笑ったアフロだけど、ライブハウスにいるお客さんを全員俺の家族だって思いたい、家族にしたい、とも言ってて胸熱だった。3メンの時のステージではなかったやり取り。

音源は買って持ってるけど、でもやっぱりMOROHAはライブで聴きたいです。来年の野音のチケットも申し込んでみた。久しぶりに新しいアルバムも出るそうで、大阪で聴いたエリザベス入るといいな…って思ってる。あれ、すごく好きだった。

MOROHAのライブはおとなしい感じの女の子ひとり客も多いから、怖くないです。私も最初は、そうは言ってもヒップホップじゃん…?と思ってて、ライブに行くの少し怖かった、ぼっちだし。でも男のお客さんも怖い感じの人はあんまりいないし、みんなまっすぐにステージをみつめてるライブだから、いいな、と思った人は是非足を運んでみてください。

ただ、アーチストとのウェットな触れ合いを期待していくライブじゃないです。アンコールやらないし。全部出し切ってるの、ステージ見てればわかるから、私はぜんぜん納得してるけど、ヒューヒュー言いたい、アーチストと直に触れ合いたい、ライブは仲間とのお祭り、っていうタイプのお客さんからしたらサービス足りなく見えるかも知れない。でも1時間半、ガチでアーチストに向かい合うそれだけでいいって思えるライブも貴重だと思うから。何よりMOROHAがヤバいから。

物販のガチャでは一発で1番欲しかったカードが出たので満足。この前浅草で引いたおみくじ凶だったけど、私はこのガチャを大吉って信じることにしました。

#MOROHA #1812 #ライブ #音楽 #コンテンツ会議

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