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台湾の野球事情について語りたい(5/5)

 こんにちはあるいはこんばんは。

 今日のNHKニュース9のスポーツコーナーでも台湾プロ野球で8日から観客入場可能になるという話やってましたね。台湾報道によると最初は200人から1,000人で様子を見る方針のようです。世界でプロ野球が見られる場所は台湾を置いて他にはありませんので、試金石的な事例になりそうです。

 私も小学校から高校まで野球をやっていましたので、台湾でも現地人に混じって草野球をやっています。そういった視点から台湾と日本、野球の違いについて語っていきたいと思います。

1.台湾文化における野球

 野球は台湾では「棒球」(バンチョウ)といいます。「野球」(イェチョウ)でも通じます。台湾の2大人気スポーツが野球とバスケットボールです。甲乙つけがたい人気があります。TVのスポーツチャンネルでも夏は野球、冬はバスケばかり放送してますね。野球の放送は台湾プロ野球の他、日本のNPB、アメリカのMLB、少年野球の全国大会や日本の甲子園といったアマ野球まで放送されています。

 草野球やっていてもみんな日本の選手かなり詳しいですし、日本の野球用語も結構知っています。一昨年、夏の甲子園で秋田の金足農業が旋風を巻き起こした際には、農業高校の決勝進出が日本統治時代の台湾代表の嘉義農林以来ということもあり、映画KANOと重ねてこちらのメディアでも大きく取り上げられました。

 会社の総務のおばさんの旦那さんが球迷(野球マニア)で、休日の朝はMLB、昼はNPBのデーゲーム、夜は台湾CPBLと一日中テレビで野球見てて呆れるなんて話もしてました。日本と同じように、台湾でも野球は文化に広く根付いているように感じられます。

2.台湾のアマチュア野球

 一番大きな違いは、ボールです。日本ではリトルやシニアといったクラブは別として、中学までは基本軟式です。私も高校で初めて硬式ボールに触りました。草野球も裾野レベルでは軟式を使っています。しかし、台湾ではアマチュアでも容赦なく硬式ボールを使っています。草野球でも何度か痛い目にあっています。

 バットは中学までは日本と同じく金属バット、高校からは木バットと金属バットのレギュレーションがあるようです。草野球では木です。先日初めて折られました。安くない出費です。金銭的事情もあるので、小さいうちは金属なんだと思いますね。日本の軟式草野球では一部コンポジット(複合材)のバットが使われたりしていますが、あれは試合での使用は禁止されています。個人的には打った感触がとても嫌いです。

2.1 草野球

 河川敷の球場で毎週日曜試合しています。球場は3面あって、1日4試合。ランク分けがあって、同ランク同士でリーグ戦をやっています。昇格降格もあります。試合は時間制限ありの7回制。夏はとにかく暑さとの戦い。

 球場はこんな感じ。プロ顔負けの兄ちゃんから腹出たおっさんまでワイワイやってる雰囲気です。ヤジとかすごい。勝手に助っ人連れてきたりとか割と自由。すごいピッチャーに当たるとバット折られやすいので正直勘弁してほしい…

3.道具事情

 台湾に来た当初は野球をやるつもりはなかったので、道具はこちらで一式揃えました。道具は日本・アメリカメーカーの台湾製が多いです。Mizuno・ZETT・SSKなど有名所は揃っています。価格は安いです。一番高いグローブでも3,000元しない。前述したとおり、木バットが下手こくと消耗品なので一番つらいですね。折るたびに2,000元くらい飛びます。

 グローブとかは日本製も置いてました。台湾製と比較すると5割増しって感じですね。革質は確かにいいけど、台湾製が著しく劣るわけでもないです。経済的な意味で始めるハードルは日本より低いかもしれません。

4.台湾プロ野球(CPBL)について

 中華職棒といいます。今年は4月12日、世界に先駆けて開幕しました。現在は5チームありますが、そのうち昨年復活した味全ドラゴンズは今年は2軍戦のみ参戦、来年からリーグ戦を戦う予定になっています。一時は川崎宗則選手が加入し話題になりましたが…

 また、昨年オフにLamigoモンキーズが身売りで楽天に買収され、楽天モンキーズとなり、日本と台湾両方に楽天球団がある紛らわしいことになりました。今年は去年までと同様4チームで優勝を争っています。

 かつてNPBに在籍し、今は台湾でプレーしている選手もいます。元西武の李振昌投手や元阪神の鄭凱文投手、外国人では元ソフトバンクのミランダ投手や元日本ハムのライブリー投手などが今シーズンは台湾球団と契約しています。今シーズンは日本人選手はいません。台湾プロ野球の外国人選手はなぜかすべて投手ですね。

4.1 台湾プロ野球のフランチャイズ球場

 日本のプロ野球と比較すると、大きくありません。最も大きいと思われる台中洲際でも収容は20,000人だそうです。それでも(チア前を除いて)満員には滅多になってないように感じますので、冒頭の1,000人の入場規制は結構頑張ってる数字かもしれません。

 台中洲際國際棒球場。プレミア12やWBCの予選もここで行われました。2018年の土曜日のゲームだったと思いますが、人の入りはこんな感じでした。売店等は場内よりも場外のほうが多いです。外で買ってから入場する前提かも。

4.2 台湾プロ野球の応援スタイル

 面白いのは、日本ではホーム・ビジターは一塁側・三塁側で分けますが、台湾ではホームが内野・ビジターが外野となります。ホーム攻撃時の応援はスピーカーも使ってすごい勢いですが、ビジター攻撃時は本当に静か。落差に驚かされます。

 応援歌はバックスクリーンに表示される優しい仕様。確か日本の楽天とかでもやってたな。

 あと、日本でも話題になっていますがチアガールめっちゃ可愛いです。4球団とも。内野指定席はチアガールに近い席から順に売り切れていきます(おい)。これは日本の球団ももっと力入れてほしいな…

 以上、ここまでお読みいただきありがとうございました。

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