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noteをやるのに、国語事典がないなんて

私は1月11日に修士論文を提出しましたが、前日まで誤字の修正に追われていました。

一度書き上げたものを、専門家ではない友人に見せたところ、たくさんの誤字脱字を指摘されたのです。

半年程かけて書いてきた文章で、何度も何度も見返しているはずの文章なのに、おかしな点に気づけず、情けない気持ちになりました。


ものを書く時には見直しが大事になってくるとは思ったのですが、そもそも自分が日本語についてあまり知らないのではないか?と思いました。

例えば、「いう」なのか「言う」なのか、「いち人間」と言うときの「いち」はひらがなか漢字か、「関わり」なのか「関り」なのか。。。

細かい点を上げると切りがありませんが、日本語についてもっと知りたいと思いました。


今回は、noteなどで文字を書いて発信する人に必携、国語事典についての本を紹介します。

ネット検索では分からないこと

私は国語事典は、高校生の時に買って以来触っていませんでした。

分からない言葉があったらネット検索すれば出てくるので、国語事典をわざわざ引く必要がないと感じていました。

そっちの方が速いし、お金もかからないですよね。


でも、微妙なニュアンスを知りたい時って、検索では出てこないことがありました。

例えば最初に例に挙げた「いち」などは、「いち」で調べるとたくさんの意味がでてきます。

意味がたくさんあることが分かっても、私が知りたい意味の場合はどのように使うのか、ひらがなか漢字か、どう使えばいいのか、などの疑問が湧きます。

こういう時に、国語事典があると違うのかなぁと思ったのが、国語事典について知りたいと思ったきっかけです。


「国語事典マニア」という人がいるらしい

そこでAmazonで国語事典について調べていたら、面白い本を見つけました。

サンキュータツオ「国語事典の遊び方」です。

この本は、「国語事典マニア」であるらしい著者が、国語事典の素晴らしさ、様々な国語事典を比較して語っている本です。

国語事典では、既に知っていると思っていた日本語にも実は深い意味があったり、辞書によって色んな解釈があることが分かります。

著者は、国語事典は無機質な意味の説明ではなく、編者の思いがこもった書籍だと言います。


この本は、主に11冊の国語事典を比較して、それぞれの特徴を教えてくれます。

日本語の「あるべき姿」を求めて書かれたもの、ニュアンスも分かるように皮肉を入れて説明しているもの、日常の言葉の意味を深めてくれるものなど。。。

色々な国語事典があるから、2冊は手元に置いて読み比べてほしい!とのことです。

安い買い物でもないしなぁと思いながら、そんなに言うなら1冊くらい手元にあってもいいかなぁと思えてきました。


電子辞書・アプリ辞書の現在地

サンキュータツオ「国語事典の遊び方」は2013年に初めて出版され、2016年に文庫化されています。

この本では、電子辞書と紙の辞書の比較もされていますが、今はそこから5年たち、更に進化していると思います。


今は有料の辞書をスマホやタブレットにダウンロードして使うことができます。

辞書アプリのすごい所は、一回検索をかけるだけで、複数の辞書で同時に調べてくれるところです。

有名どころでは、「辞書by物書堂」というアプリが、国語辞典に限らず色んな辞書を購入して使用できます。

残念ながらiPhone、iPad、Mac版はあるようですが、公式ではWindows、Android版はないようです(私は主にiPadで使っています)。


実際に国語辞典を買って使ってみた

サンキュータツオさんの熱に当てられて、何か一冊買ってみようと思いました。

著書でも紹介されている、「三省堂国語辞典」の第八版が昨年末に出たところみたいで、上述の物書堂のアプリでセールをやっていたので、購入しちゃいました。

紙版は3,300円のところ、アプリ版はセールもあり2,580円でした。

辞書というともっと高い印章がありましたが、意外とリーズナブル。


さっそく先ほど迷っていた「いち」についてしらべてみました。

いち[いち]
二 ①ひとつの。ひとりの。「➖問題・➖市民」
!「一映画ファンの意見」のように、「単なる〈ひとつ/ひとり〉の」という意味を表す場合、アクセントは、ちーとも。表記は、かな書きにもする。

三省堂国語辞典第八版

こうして調べてみると、使い方としては「一」でも「いち」でもいいことが分かりました。

ネットで調べて使われていることが分かっても、正しい情報かどうかは怪しいですが、こうして国語辞典が教えてくれると安心です。


まだまだ深そうな国語の沼

今回購入した「三省堂国語辞典」は、サンキュータツオさんによると、「とにかく生きた言葉で勝負!『生きのよい現代語辞典」と自ら言ってしまうくらいなので、積極的に新しいことばを取り入れています」。

私はこの国語辞典しか持っていないので比較できませんが、他の辞典でどう説明されているのか気になってきました。


そして今回、日本語の文法の奥深さを知りました。

さきほどの「いち」は、単語を作る成分である「造語成分」だそうです。

そんな言葉が日本語の文法にあるなんて、初めて知りました。

国語辞典もそうですが、日本語の文法ももっと学んでみたいな、と思いました。


noteで発信していくにあたって、もちろんオリジナリティーを出して書いていくことも大切です。

一方で、何気なく書いたこの言葉にはどんな意味があるんだろう?どんな使われ方をするんだろう?と調べてみるのも楽しいと思います。

みなさんも気になる言葉があったら、発信する前に一度国語辞典を引いてみるのもいいかもしれません。

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