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伝えるべきは「夢物語」ではなく「本気の意思」。国交省「地域交通共創プロジェクト」

NEWPEACEがHP作成等ブランディングをプロデュースした国土交通省の施策「共創モデル実証プロジェクト」が4月1日より開始されました。

「共創モデル実証プロジェクト」では、これまでは主に交通事業者が単独で取り組んできた「地域交通」を、人々の暮らしを起点に様々な分野を横断し地域全体で取り組むことで、地域公共交通の持続可能性を高めていくことを目指していきます。

次世代の地域交通を生み出す「共創モデル実証プロジェクト」を開始するにあたって、NEWPEACEではHP作成やコピー策定などのプロデュースを行いました。

地域交通は、私たちの暮らしそのもの

地方のバスや鉄道といった地域交通は、従来からの人口減少・少子高齢化に加え、コロナ感染症の影響により利用者が激減しており、存続が困難となっています。

しかし、地域交通は私たちの生活全般を支える基盤であり、とても重要な存在です。過去を振り返ってみると、地域交通によって、私たちの移動が生み出され、出会いをつくり、仕事をつくってきました。さらには、バスや電車が走ることで街が発展し、街並みや文化をも生み出してきました。言うならば、「交通を考えること」は「街そのものを考えること」であるかもしれません。

「事業者だけ」ではなく「地域全体で」

これまで、一般的には「地域交通」と言えば、地域にあるバスや鉄道会社が取り組む領域だとされてきており、交通事業者以外とコラボすることや、交通以外の領域に取り組むことは稀でした。

しかし最近では、十勝バスが移動マルシェを行ったり、博報堂が富山県朝日町で乗り合いタクシー事業を行ったりするなど、分野横断・官民共創で交通課題に取り組むケースが生まれてきています。

◯参考:
8期連続で増収増益!?十勝バスの挑戦

国土交通省でも「地域交通は、地域のくらし全般に関わる産業」であるとの考えのもと、「医療」「介護」「エネルギー」「住宅」「教育」「農業」といった様々な産業とともに地域交通のあり方を考える研究会を進めてきました。

そして、4月1日から、この流れを後押しすべく、分野をまたがる複数の事業者が連携する地域交通の実証事業を募集し、モデルケースとして全国各地で、実施伴走型の支援を行う「共創モデル実証プロジェクト」が開始されます。

「ともに歩む」視線を伝えるための、ネーミング

ニューピースではこうした「共創」の考えを広めていくべく、シフトブレインとチームを組み、VISIONING®の考えに基づき、「共創モデル実証プロジェクト」のクリエイティブ監修を行いました。

※VISIONING®=VISION策定と、VISONの実現から逆算したPRを一貫して行
う手法

特に大切にした点は、「共創モデル実証プロジェクト」と名付けた点です。今回の取り組みは、実証事業の候補を募集し、国交省で選定し、伴走支援を行う流れで進んでいきますが、こうした応募型のプロジェクトでは「コンテスト」という言葉が使われることが一般的です。

ですが「共創」は民間事業者にとってもチャレンジングな取り組みで、「コンテスト」という言葉を使うと、応募への心理的ハードルが高く伝わってしまうことが懸念されました。

そこで、クリエイティブチームと地域交通課の皆さんで議論を重ね、「事業者の皆さんとともに、初めてのチャレンジをして、一緒に作っていく」ことを伝えるために「共創モデル実証プロジェクト」と名付けることにしました。

一見、ネーミングの変更は、単純な変更に見えるかもしれません。しかし、ネーミングは最も大切なファクターであり、行政側の姿勢が最も伝わるファクターでもあります。

夢物語ではない、本気の意思

そしてもう1点。HPのイラストやキャッチコピーの策定において大切にしたことは「夢物語にしない」ことです。

未来の交通や街のあり方を議論すると、安易に「空飛ぶ車が、ビル群を駆け回り、ドローンが飛び交う」といった風景を想像してしまうことがあります。こうしたイメージはワクワクする未来を伝えることには有効ではあるものの、「夢物語」だと受け取られてしまい、「実現できない」「実現するのはハードルが高い」と思われてしまう懸念がありました。

そこで今回は、もちろんワクワクする未来を伝えつつも、「現実的」である点を大切にしました。「自分たちが一歩踏み出すことで作れる、少し先の未来」を、クリエイティブを通して伝えることを目指しました。

プロデューサー 増澤コメント

地域交通は私たちの生活全般を支える基盤です。私たちの移動を生み出し、出会いをつくり、仕事をつくってきました。さらに、バスや電車が走ることで街が発展し、街並みや文化をも生み出してきました。

人口減少・少子高齢化、コロナ禍で厳しい状況だからこそ、街に関わる様々な産業で一緒になって、地域交通のあり方やひいては私たちの生活のあり方を考えることが大事だと思います。

キャッチコピー


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