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マフラー

 ぐっと冷え込みが強くなってきたので、今年もマフラーを使い始めた。
今使っているのは、4年前にパートナーからプレゼントで頂いた、カシミアでピンクと白のチェック柄のものだ。
 亡くなった母は、父によく手編みのマフラーを編んでいた。
編み物の先生だった母は、編み機を使ってセーターやマフラー・手袋といった小物をささっと編んでいた。わたしも幼い頃から母に手編みを教わって小物をよく編んでいたので、毎年寒くなってくると何か作りたくてうずうずしてくる。
 中学生の時は、好きだったテニス部の先輩に真っ白なマフラーを編んで、クリスマスにドキドキヒヤヒヤしながらプレゼントしたこともある(たぶんエースをねらえとかの影響( ´艸`))。
今のパートナーとは知り合って20年の間に、たぶん5本のマフラーを編んでプレゼントしたはずだ。が、彼は基本的にほとんどマフラーをしない。
わたしがプレゼントしたマフラーたちは、たぶんタンスの中のどこかに丸まってると思う。
それでも毎年寒くなると、無性に大切な誰かにマフラーを編んであげたくなる。
それはきっと、わたしの中の少女の部分が動き出す瞬間なんだと思う。
冬はなぜかいちばん、わたしに少女の頃を思い出させる。
こたつ、みかん、お正月と、まだ若かった両親と過ごした日々、好きな男の子と並んで歩いているだけで幸せだったクリスマスやバレンタインの頃。
 年を重ねて、編み物をするのはなかなかつらくなってきたけれども、やっぱり今年もマフラーを編んでみようと思っている。
ちなみに編むのは自分用。プレゼントしたい熱が年々下がっているのはなんということか、さびしいかぎりだ。




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