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「登りたい山を決める。これで人生の半分が決まる」-高い山に登るー「夢」の哲学、孫正義を中心に(2/3)

「登りたい山を決める。これで人生の半分が決まる」

孫正義は、「夢」を追求する上で、高い目標を持つことの重要性を常に説いてきた。彼はそれを「高い山に登る」と表現している。

「皆さんにこれだけは伝えたい。志高く。坂本竜馬いわく、『世に生を得るは事を成すにあり。』人生一回きりしかないのだから、この時期に自分が登りたい山を決めてほしい。自分の人生を何に懸けたいのか自問してほしい」

孫正義は、人生において目指すべき目標を「登りたい山」に例えている。人生は一度きりだからこそ、自分が本当に達成したいことを見つけ、その実現に向けて全力を尽くすべきだと説くのだ。

「登りたい山を決める。これで人生の半分が決まる。目指すべき山を決めずに歩くのは、さまように等しい」

目標を持つことは、人生の方向性を決める上で非常に重要だ。目標があれば、そこに向かって努力する意味が生まれ、困難に直面しても乗り越える原動力になる。一方、目標なくして歩むことは、まるで羅針盤なしで航海するようなものだ。どこに向かっているのかわからず、やがて迷子になってしまう。だからこそ、自分が何をもって事を成したいのかを明確にすることが大切なのだ。

また、孫正義は、事業を行う上でも高い目標を共有する仲間の存在が欠かせないと説く。彼自身、ソフトバンクを立ち上げた際、志を同じくする仲間と共に困難に立ち向かってきた。一人では到底成し遂げられなかったことも、仲間と力を合わせることで乗り越えられた。「カンパニー」という言葉が示す通り、会社とは単なる利益追求の集団ではなく、同じ志を持った者たちが集う場なのだ。一人で高い山に登ることも素晴らしいが、仲間と共に登る山はさらに大きな達成感と喜びをもたらしてくれる。

孫正義自身、若き日に大きな決意をしてアメリカに渡った。当時、彼は入ったばかりの日本の高校を中退し、たった一人で海を渡った。言葉も文化も異なる地で、何かでっかいことをやって、何か多くの人を助けたい、自分の、あるいは自分の家族の私利私欲とかそういうことではなくて、何かもっとでっかい、人生を燃えたぎらせたいと、ひきちぎれるほど頑張ってみたいと。それを成したいと、その想いだけを胸に渡米したのだった。それは並大抵の決意ではできないことだが、孫正義は若さゆえの無限の可能性を信じ、夢の実現に向けて突き進んだ。彼は、自分の持つ夢の大きさが、人生の結果を大きく左右すると考えている。

「自分の持った夢に自分の人生は比例する。小さな夢だったらその夢の範囲の中で80%達成できるのか50%なのか、夢はできるだけでかい夢を持ったほうがいい」

小さな夢しか持たなければ、たとえそれを達成したとしても、得られる満足感は限定的なものになってしまう。例えば、「良い会社に就職すること」を夢とした場合、それを実現できたとしても、その先の人生の目標は見えてこない。一方、「世界を変革するようなイノベーションを起こすこと」を夢とした場合、たとえ完全には実現できなくても、その過程で得られる経験や成長は計り知れない。だからこそ、できる限り大きな夢を持つことが大切なのだ。

孫正義の「高い山に登る」哲学は、人生において大きな目標を持ち、その実現に向けて全力を尽くすことの大切さを説いている。若さゆえの無限の可能性を信じ、仲間と共に高い山を目指す。そして、強い意志と情熱を持って努力を重ねる。その先に、夢の実現が待っているはずだ。この哲学は、私たち一人一人が自分の人生を切り拓いていく上で、重要な指針となるだろう。

「夢を達成できる人とできない人の唯一の違いは、その夢をどのくらい心の底から達成したいと思うか、すごい強い決意をしその夢の達成に向かって恐ろしいまでの情熱で努力したか」

どれだけ強い意志を持ち、どれだけ情熱を傾けて努力できるか。それが夢の実現を左右する最大の要因なのだ。


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