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【体験談】ある顧問マッチングサービスを介して顧問を務めたときの話

こんにちは、セーシン(@n_spirit2004)です。

世の中には、顧問と企業をマッチングするサービスがいくつかあります。

例えば、以下のようなサービスです。

パソナ顧問ネットワーク
マイナビ顧問
i-common
顧問名鑑

顧問の一般的な役割としては、マーケティングや技術など企業活動における主要機能のサポートや、人脈の紹介などがあります。

コンサル的に動くこともあれば、より実務に入り込んで動くこともあります。

上記のマッチングサービスは、主にリソースの限りがある中小企業に対して、ピンポイントで必要な能力や人脈を持った人を紹介するのが主な役目です。

私も以前、そのマッチングサービスを介して、ある中小企業の顧問業務を引き受けたことがあります。

今回は、そのときの体験と感じたことを書いていきます。


顧問マッチングサービスの仕組み

そのときにお世話になった顧問マッチングサービスの具体名は伏せますが、仕組みは以下のとおりでした。

・企業が毎月の顧問料をマッチングサービスに支払う
・その中から手数料を差し引いた顧問料をマッチングサービスから顧問に支払う

金額は顧問のグレードや継続期間によって変わりますが、1ヶ月あたり10~30万円が顧問に対して報酬として支払われます。

これは顧問が受け取る報酬なので、実際に企業が支払っている金額は当然もっと多くなるはずです。

また、詳しくは教えてもらっていませんが、企業側は初回に契約料としていくらかマッチングサービスに支払っているようでした。

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顧問として活動するのは原則月2回、1回半日程度です。


実際にやったことー人脈紹介

私が、マッチングサービスを介して紹介された企業(クライアントとします)には、私が人脈を持つ会社(A社とします)から新たに仕事を受注したいという要望がありました。

そのクライアントから求められたことは、以下の2点です。

・私が持つA社の人脈の中でキーマンとなりそうな人たちを4-5人、その企業の社長と引き合わせること
・その際の提案内容などを具体的にアドバイスすること

仕事を受けるにあたってクライアントと期間とゴールを設定。

当初ゴールとしていたことは一通り実現できたので、(お互いに話し合って納得の上で)比較的短期間のうちに契約を解消する形となりました。

お互い納得の上だったので、クライアントとは特にわだかまりはなかったのですが、実際にやってみて感じたことがいくつありました。


人脈紹介だと仕事の継続が難しい

1つめが、人脈紹介の仕事だけで契約を継続させる難しさです。

私自身も会社経営をしているのでよくわかりますが、上記の顧問料はマッチングサービスが手数料をとっていることを考えると決して安くありません。

また、人脈を紹介していきなり仕事に結びつくことはないでしょうから、かけた費用を回収できるまでの時間も長くなります。

仕事を受ける側(顧問)とマッチングサービス側からすれば、できる限り長く仕事を継続するのがよいのでしょう。

しかし、クライアントから見るとそうはいきません。

例えば、私がマッチングサービスに顧問料を支払うクライアントであれば、次のように考えます。

・顧問には早くキーマンを紹介してもらって、短期間のうちにターゲットとする企業とコネクションを作りたい(一度紹介さえしてもらえば、あとは自力で営業できる)
・顧問料を長い期間支払いたくない

実際に、お互いを最初に紹介するまではハードルは高いですが、紹介後に顧問が引き続き仲介する必要があるかというと、そうでもありません。

むしろ、仲介する顧問に依存する状況を作ってもお互いメリットがないので、顧問としては早く身を引いた方がよいのでしょう。

キーマン4-5人程度だと、事前の調整・段取りなども含めても2-3ヶ月もあれば紹介できるので、クライアントファーストで考えれば、この程度の期間で終わらせるのがベストだと思っています。


人脈をお金に変えるのは躊躇する

もう1つ感じたことは、人脈をお金に変えることの怖さです。

私がクライアントを紹介したA社の人たちにとって、クライアントと取引するメリットはゼロではありませんでした。

とはいえ、必ずしもすぐにメリットにはなるとは限りませんし、タイミングによっては他に優先すべき事項がある場合もあります。

そうすると、A社に対して若干の押し売り感が出てしまいます。

1回目なら、多少押し売り感が出ても「まあ、あいつが言うなら仕方がないな」となってくれるかもしれません。

しかし、様々な会社をクライアントとして何回も紹介していると「会う時間が持ったない」とか「結局、金のために紹介してくる」とまで思われる可能性もあります。


人脈紹介を有償でやることの限界

結局、人脈紹介でお金をとるビジネスは、相当上手に立ち回らないとクライアント企業と、その企業を引き合わせる相手方の企業の双方から信頼を失い兼ねない話だと感じました。

先ほど書いたように押し売り感が出ると引き合わせる企業側から嫌悪感を持たれますし、だからといってだらだらとしたペースでやっているとクライアント企業から「金を払っているのに、動きが悪い」と思われます。

で、結局行き着いた結論は、

人脈紹介は無償でやるべき

ということです。

実際、自分の持っている人脈の中で、「この人とこの人を繋げると良いことが起きそうだな」と思った人たちを紹介する際にお金は頂きません。

仮に、紹介したことでビジネスがうまくいけば、お金は得られなくても「あの人の紹介する人は確かだ」という信用を得られます。

これは、たかだか月10万、20万のお金には変えられないものです。

そのマッチングサービスの会社からくるダイレクトメールには、「◯◯社とつながりのある人を募集しています」みたいな案件がたくさん来ますが、上記のことを考えるとこれから仕事を受けることはないでしょう。

人脈紹介というのは、別の付加価値を切り口に仕事を請け負った上で、目標を達成させるための補完的なものにしておくのがよいなと思っています。


最後に

スポット的に特定の目的でのコンサルをやるなら、以下のようなスポットコンサルの方が、余計な気を使わなくてよいので、はるかにラクです。

実際に体験して感じたことを書いていますので、あわせてご覧ください。


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