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私と東村さん

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高校時代、仲良かった事務室の東村さん。その人との日々を思い出したので残したいと思います。いつかの自分に向けて、忘れてしまわないように。
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2020年9月の記事一覧

EP.1-11

東村さんは事務室にいた。
「おー!久しぶり」
「こんにちは」
「元気?」
「元気です」

そんな簡単なやり取りをして
書類を受け取った。

放課後の時間だったこともあり
一緒に帰った。

「今度ご飯でもいこうよ」

そういわれた私は

「いいですね」

と答えた。

調子にのっていたから
【高いお肉でもおごってもらお】
くらいにしか考えてなかった。

連絡先を交換して
途中の駅で別れた。

しばら

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EP.1-10

私は大学生になった。
大学生になってからは
高校時代なんて
ほとんど思い出さなかった。

毎日が楽しくて
髪の毛を染めたり
ピアスを開けたり
彼氏と別れたとか
付き合ったとか
そういうことをしてた。

そのまま1年くらい経ったとし
実習のための書類を受け取りに
高校に行った。

卒業以来、初めてだった。

EP.1-9

文化祭も無事に終わり、三役の引き継ぎも終わると受験モードに切り替わった。

とはいえ、推薦を狙っていたので勉強が忙しくなることはなかった。

東村さんとやり取りをすることはほとんどなくなった。

それでも、会えば挨拶して

時間があれば雑談くらいはしたと思う。

受験校はどこにしたとか

テストで良い点とったとか

そういう話をした。

東村さんは

何も変わらなかった。

私が

変わっていった

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EP.1-8

学年があがるにつれて、東村さんの他に、私が仲よくなった学校関係者は何人かいた。

東村さんだけが特別仲良かったわけではない。

たとえば用務員さんとか警備員さんとか。

ずいぶんと良くしてくれていた。

東村さんはそのうちの1人だった。