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連載手紙風SS:2通目
『天才なぼくからきみへ100通の手紙』
雲の下で暮らすみんなへ
みんなに1通目の手紙を送ってから、次はなにを書こうか考えていました。1通目は、ぼくが文字を書けるようになって、手紙を送りたいと思った理由。そして2通目は……せっかくだから、初めてみんなに出会った日の思い出を書きます。
あれは、ぼくがまだ生まれて3か月の頃でしたね。おねえちゃんが最初にぼくを抱っこして「この子がいい」って言ってくれたんです。部屋には他にもぼくのきょうだいが何匹もいたのに、ぼくを選んだ。嬉しかった。
実は他の子も抱っこしようと思っていたけど、一度ぼくを抱っこしたら離せなくなってしまったんだと、おねえちゃんはあとになって教えてくれました。あの部屋にいた犬のなかで、ぼくが一番だったって。聞いたとき、ふふんと胸を張ったことを覚えています。懐かしいな。今でもぼくがみんなの一番だって、ぼくは知ってます。ぼくは天才なので。
それでは、また手紙を書きます。
空の上で暮らすぼくより
―――――
↓前回
#創作
— 夏巳(藤田ナツミ) (@N_natsuo) March 16, 2024
天才なぼくからきみへ100通の手紙 / 2通目 pic.twitter.com/q6cOrYHbXJ
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