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連載手紙風SS:4通目


『天才なぼくからきみへ100通の手紙』


雲の下で暮らすみんなへ
 
 みんな元気ですか。ぼくは天使様の授業を受けた後、夜になってからこの手紙を書いてます。空の上で見る月は、雲の下から見るよりも何倍も大きくて、月に住むうさぎさんたちの町も見えるんですよ。

 月を眺めていたら、みんなと暮らし始めた一日目の夜のことを思い出しました。リビングで寝ていたぼくは、遠く離れて暮らすきょうだいたちを思い出して泣いてしまったんです。あの夜のぼくの泣き声を、みんなは覚えてますか? ぼくがキュウキュウ泣いてると、すぐにおかあさんとおねえちゃんが抱っこしてくれて、添い寝をしてくれました。生みのおかあさんやきょうだいとは、まったく違う温かさと匂い。けれども不思議と安心して、ぼくはいつのまにか眠っていました。

 空の上で寝るときは、ぼくいっぴきです。ちょっとだけ寂しいけど、ぼくは天才なので我慢できます。
 
 いつかまたみんなと一緒に眠れるといいな。 

空の上で暮らすぼくより



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※みんなのフォトギャラリーから素敵な画像をお借りしました。ありがとうございます。

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