短編:九月二十六日のタイムカプセル
九月二十六日。
秋分の日も過ぎたというのに、夏の間と変わらない眩しい日差しがアスファルトを照らしている。高校一年生の九条天馬と二宮蓮は、額に滲む汗を拭いながら自転車を走らせた。
「あっついなぁ! 蓮さぁ、いま何月だっけ?」
「九月だよ九月。僕なんて、まだ夏休みの頃と同じ服を着てるよ!」
厳しい残暑に文句を言いつつ、幼馴染の二人は楽しそうに笑いあう。
今から二人は、小学校入学前に埋めたタイムカプセルを掘り起こしに行く。なぜ今日掘り起こすことに決めたか、今の自分たちは覚えてい