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スイカが好きな彼女

気温差が大きい毎日ですね。
まだ、寒い日も多いのに
外に出ると確実に
花粉とんでます。
いかがお過ごしですか?


センスの良い
何事も察する友人がいます。
大好きな友人であり憧れの人の一人です。

彼女は夏生まれで
スイカを愛している。

昨年、大きくフォームを崩してしまい、倒れ込んだ。
元来、食べることが好きな私。
自分が食べたいものをつくることには力を厭わない私が
自分のための食事を一時期作れなくなった。
まず、食材を買いに行くのが億劫であったし、食べたい食材はどれもずっしり重く感じた。
一念発起して、
「今日こそは作るのだ!」と念じても
食材の買い物を終えた時にまずぐったりしてしまい。
重い食材を抱えて帰宅すると、さらにぐったりと疲れ果て
体力を消耗し
食事を作るまでには至れなかった。

コンビニ
宅配ご飯
スーパーの惣菜

どれもホントに有り難かった。

が全部
不味かった。

そのときの私が食べたいものではなかった。

何より
元気な時は「美味しい」と食べてきたその味は
全部濃くて、刺激が強すぎた。

自分で焼いた卵焼きが食べたかった。

そんな簡単な事かできなくなってしまうほどに落ちていたと振り返ると
自分が可哀想でもあり、よく頑張ったと褒めたくもなる。

自分のためだけに料理をすることは
こんなにも難しいものなのかと
何度か涙した。

たかが卵焼き
でも私好みの味付けや硬さ焼き具合があって
中学1年の時からお弁当には自分で作った卵焼きを入れた。
毎回上手く作れるとは限らなかったけれど、
作ってきた。
卵焼き。

それが
この歳になって
作れなくなる日がくるなんて。
それもまだ歳老いるには早いこの時期にそんなことが訪れようとは想像していなかった。

とある大将が作った卵焼き


外食する気力が戻ったのは
季節が巡ったころだった。

2駅離れたオープン当初からすぐに気に入った居酒屋に入った。

コロナ禍を経て、オープンまもなかったこのお店が今まで生き残っていてくれていたことがまず嬉しかった。

が、店の中は何回か通った当時より
カウンターの中に食器が列をなし山となっていた。
きっとコロナ禍で急に必要とされてしまった、プラパックが棚を占領してしまったと思われる。

それが分かったのは
帰りにテイクアウトとしていくつかのおかずになる様なつまみを大将に頼んだ時だった。
大将がお持ち帰りのためのプラパックの値段をやたらと強調したこと、
大きいものから小さいものまで取り揃えてること、
「何でも構いません」と言った私のカウンター越しで調理を始めた大将が、料理を盛る段階で、上方の棚を開けた時
多量のプラパックがそこに押し込められていたことで深く理解した。

カウンターの食器は
本来あそこが指定席であったはずである。


心が少し痛くなった。


テイクアウトする前に頼み
少し呑み、
食べた料理の美味しさはコロナ前と全く変わりなかった。
嬉しかった。
大将の笑顔と弾む声だけは少し減っていたけれど
勝手ながら
「この店、まだ大丈夫」って思えた。

大将が料理を1人で回すようになった
一人で回すには広いそのお店で
まず、簡単に出来そうな私好みのものを頼んだ。
それが、卵焼きとタコ🐙の入った蕪サラダ。

見た目も味も申し分なかった。
私は自分のために美味しく、味わって
“食べる”ことを
久しぶりに思い出すことが出来た。

食べ始めてから写真を撮る日常
卵焼きに大根おろしand生ワサビ最高
スイカににた蕪が入ったサラダ

素敵な友人、地元の同級生が有難いことに沢山いる方だと想う。

夏生まれの彼女は
中学からの同級生。
割と好きなものの好みが被る。

けれども彼女はスイカをこよなく愛している様だ
ここは私と異なる。

メロン、スイカの瓜類の果物を私はあまり好まない。
「夏になるとスイカ🍉食べなきゃ」という彼女ほどスイカを好きではない。
夏に1度スイカを食せばよい方だ。

自分のために
運ばれてきた蕪の入ったサラダが
おしゃれなスイカの模様をしていて
彼女が頭に浮かんだ。

前々回記した
穂村弘さんのエッセイを私に勧めてくれたのも彼女だ。

穂村弘さんは
歌人である。

蕪サラダと大好きな卵焼きで自分の為に食べることを思い出し幸せな気持ちに包まれて
短歌らしきものを作ってみた。


〜スイカの様な
   サラダに入った蕪を見て
     たまごの様な貴女を想う〜

1日暖めて、
彼女に“穂村弘さん風に短歌作ってみたよ”とLINEした。
写真を添えて。

彼女は
何も言葉にせずに
「ニヤニヤ」と書かれた子どもが憎らしく笑っているスタンプだけを返信してきた。

くーっ!!!
お前が憎い!

「解ったか?少しは解るか?伝わるか?!この気持ち!」と連打して返した私のLINEに彼女はまた

「んーー」と
考え込んでいるゴルゴ13のスタンプだけで返してきた。


悔しい!悔しすぎる!!、、、

大好きです。
貴女のそのセンスと思いやり。
口数多くはないくせに、
いつも結構な私の核心を食ってくるよね。
どっから観察してるのよ。

有難う
言葉では言い表せないことが増えすぎて、こうやってみんな歳を重ねて、
短歌よんでみたり、俳句教室通い始めちゃったりするのかね。
笑えないよ。www。

彼女は結構涙脆い。
中学の卒業式でも号泣したらしい。
「この歳でこんなに皆んなと変わらず会えると知っていたら、あの時あんなに泣かなかった」
と最近聞いた。

私は卒業式で
泣いたことがない。

歳時記を買おう
そう考えついてから
もうすぐ20年が過ぎる。
春すぎた頃に、今度は本当に手にとってしまうように思っている。


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