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リキ日記_察知

ハリネズミの飼育者のことを、世間では、「ハリ飼い」というらしい。私は、その、ハリ飼いの中でも、まだまだ素人である。

我が家のハリネズミの名前は、リキという。

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リキは夜行性である。だいたい、朝から昼は、寝ている。そして、日の入りから少し経った、20時くらいに巣箱から出てきて、回し車で、走り出す。

家内は、買い物さえなければ、20時までには帰宅しているのだが、私は最近残業が増えてきていて、20時には、帰れないことが多くなってきている。

つまり、私が帰宅したときには、リキが、回し車でリキ走している時が、ほとんどなのである。


そんなとき、リキは、私が帰宅してきてリキの部屋の扉を開ける一瞬前に気配を察知し、急に、回し車を回すのをやめるのだ。

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そして、巣箱に走り入るわけではなく、丸まって、防御の姿勢をとり、少し、ブルブル震えている。

私は、決して、脅かすつもりも、もちろん、なく。単に、ケージを掃除してエサを与えるために、リキの部屋に入るのである。


ときどき、家内と一緒に、外出先から帰るときにも、こういうシチュエーションがある。

部屋に鍵を開けて入る前に、リキが走っているかどうかを確認してから、入る。そして、たいてい、外出している時は、リキの部屋の扉を開けてエアコンが効くようにしている。つまり、玄関の鍵を開けると、リキは、すぐに、帰宅したことを知ることになるのだ。


家内は、いつも、こう、言っている。

リキが、危険を察知して、丸まっている。


だから、いつも、「危険を察知」と言いながら、玄関の鍵を開ける。


心の中の、リトルkojuroが、笑いながら、つぶやいた。

さっちゃんも、リキが可愛いんだよね。

フンの処理は、しないけれど。


リキは、ハリネズミである。ハリネズミは、習性上、人に懐かない。そして、とても臆病で、すぐに丸まって、防御の姿勢をとる。

無理に触ろうとすると、シューシューいいつつ、針をぶつけてくる。それが、ハリネズミの、最大の防御であり攻撃である。

決して噛みついたり、吠えたりしない。


リキが我が家に来て、もう、4ヶ月が経った。


家内が、言う。

もう少し、懐いてくれれば、もっと可愛いのにね。


心の中の、リトルkojuroが、首をすくめて、つぶやいた。

慣れはしても、懐くことは、ない。

それが、ハリネズミだ。



さっちゃん、無いものねだりは、しないほうがいいよ。


私がこう言うと、家内は、こう、返してきた。

じゃあ、あるものをねだろう。


そして、足を指さした。


こうして新たな、マッサージのミッションが発動された。


マッサージをすると、家内は上機嫌である。

家内が上機嫌だと、我が家は明るくて、平和である。


だから、


これで、いいのだ。


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