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合格シール

昔々、中学の頃だっか、いつの頃だったか、合格点で合格シールをもらい、それを集めると合格鉛筆がもらえるという制度が、通っていた塾で、あった。

私は、特に勉強をしない悪ガキだったので、そんなシールにはほぼ無縁だった。それでいいとも、思っていた。

心の中の、リトルkojuroが、苦笑しながら、つぶやいた。

まさか、結婚してから、その制度で詰められるとは、思わなかったな。


我が家では、この程度のシールでは、合格ではないのである。不合格なのだ。

家内に言わせると、これは値引シールではないらしい
このレベルでも、値引きシールではない
このあたりから、家内は、時間帯とモノによっては、触手が動く
このレベルでも、まだ、我が家では合格シールとまでは、言われない


だが、もちろん、シールの貼っていないものなど、不合格どころか、落第で。校庭100周よりもきつい、先生が「もういい」というまで無限ランニングの刑のようなものである。


我が家での合格シールは、当然のことながら、このレベル、つまり、半額か、50%引きからを言うのである。

このシールは、漢字だから、感じが良い
これは、合格シールだ
これも、合格シール


結婚してから、こういう洗脳を受けてきた。ずっと。だから、家内が仕事で家にいなくなり、ひとりで行動をしていればなお、この合格シールを求めて、夜20時以降のスーパーを彷徨さまようのである。


そして、滅多にゲットできない、レア合格シールを、とうとう、先日、手に入れたのである。

それが、このシールだ。

元値が高いが、このシールならば、褒めてもらえる
これは、元値も安いし。完璧に近い、レア合格シールだ


長女と、次女と。ある日曜日の夜23時近く、近隣のスーパーで、このレアシールに遭遇した。そして、一目散に、帰宅して、女王陛下(注1)に報告しようと思ったのだが…


今、家内は、あるプロジェクトに参画していて。仕事が忙しくて、事務所のそばのホテルに寝泊まりしている。日曜日の深夜に戻り、月曜日の昼過ぎにはまた、ホテルに泊まりに行って、そこで仕事をしているのである。


マッサージは、とんと、しなくなった。そのかわりに、家内の健康のことを心配をしている。これならば、マッサージをしているほうが、よほど良かった。


心の中の、リトルkokuroが、また、ボソリと、つぶやいた。

心配じゃなくて、寂しいんじゃないの、本当は。

やりとりからすると、家内は元気なようである。


だから。


これで、いいのだ。



(注1)女王陛下とは、家内のことである。私に、ときどき、ミッションを与える、指揮命令系統の最上位者なので、ときに、家内のことを、そう呼ぶ。


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