空中戦

この記事は、我が家のよくあるシーンを記事にしたものである。決して特殊な事態ではない。これは、日常なのである。そしてそこには、切なさも、わびしさも、傲慢ごうまんも、諦めも、何の感情もない。

入れたり、出したり、出したり、入れたり。だが、レジの会計の時に、心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、こう、つぶやくのである。

家内には、かないません。


駄洒落だしゃれか。


今日は、私が、心の中の、リトルkojuroに、ツッコんでみた。


我が家の日常の、1ワンシーンとは、こういうシーンである。


私は、あまり、パンを食べないのだが、家内が、会社で食べる朝ご飯を、選んでくれる。

カレーが好きなので、カレーパンを、カゴの中に、そっと、私は、忍ばせておいた。

そっと、値引シールの無いものを、入れておいたのだが

家内は、あらゆるものに、値引シールが貼られていくであろう時間帯を目掛けて、スーパーに繰《く》りす。したがって、我が家では、午前中の買い物は、あり得ない。値引シールは、夕方から、いや、50%などというプレミアシールは、19時30分頃から張り出されていくのである。

家内のこだわりポイントは、ポイ活と、クーポンと、節約である。

だからこそ、家内は、夜行性なのである。

家内は、必要なものは、カゴにどんどん入れていって確保していくのであるが、シールが貼られ出すや、シールのお兄さんに言って、同等品に値引シールを貼るように要請する。

そうやって、何周も、いや、何十周もしながら、カゴから入れたり出したりしながら、値引シールの貼ってあるもので、カゴを満たしていく。


心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、つぶやいた。

カゴの出し入れ、コジが入れて、さっちゃんに出されて。

また、入れて。出されて。

まるで、空中戦だな。


しばらく店内を回っているうちに、カレーパン売り場も、何度かめぐり、まわりなおしつつ、最後にレジに並んだが、結末は、こうなることも、あるのである。

カレーパンが、ミックスサンドに変化している!


心の中の、リトルkojuroが、リボソリと、つぶやいた。

シールを貼り直してもらうだけではなくて。

時には、カレーパンが、より安い、しかも値引シールが貼ってあるミックスサンドに変化へんげしてしまうことも、あるのね。


コジくん、ミックスサンド、好きだったよね。

今日は、少し高かったけれど、買ってあげたからね。きっと、カレーパンよりも、美味しいよ。

家内は、にっこりと、笑った。


我が家では、好きなものは、ほぼ、50%引きのシールが貼っていないと、カゴに入れてはならないという、暗黙の了解がある。だが、私は、その禁を無視して、そっと、好きなものを忍ばせることもあるのだ。

だが、今回は、最初に入れてしまったのが、大きな間違いだった。バカだった。


私は、反省して、帰宅してからの1ワンクール(注1)の自主トレ(注2)を申し出たところ、家内は、にっこりと笑ってくれた。


家内は、マッサージをすると、上機嫌になる。

家内が上機嫌だと、我が家は明るくて平和である。


だから。

これで、いいのだ。


これなら多分、買ってくれたのになぁ by リトルkojuro


(注1)1ワンクールとは、家内がよく見る、ドラマやバラエティの、1番組分、つまり、約1時間のことである。また、半クールは、30分である。家内が録画したドラマやバラエティを一緒に見つつ、私は、マッサージをするのである。

(注2)私は、家内のマッサージを、よくする。家内に促されずに、自らの申し出で家内のマッサージをすることを、自主トレと、勝手に呼んでいる。


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