ジェラート
7月の初旬、家内が、ふいに、言った。
今日の昼、ジェラートを食べない?
実は、我が家のマンションには、時々、フードトラックが来る。そのメニューはほとんどがお弁当なのだが、その中で、ジェラートがあるというのだ。休日だし、それを、買って食べてみようという話になった。
まだ、その時は、7月の上旬。今年は、梅雨明けが例年よりもかなり早く、晴天、猛暑続きで、大変な気温だった。
昼前、売り出されるタイミングで、売り場まで行った。
家内は、アイスクリームは、あまり好きではない。だから、家内から、アイスクリームを食べようなんて言い出すのは、滅多にないことなのである。
家内と相談しながら、自分たちのと、子供たちのを、購入した。
その頃、ちょうど、長男の引越が迫っていて。長男分は購入しなかった。
帰宅して、自分たちのぶんを食べたあと、家内は、そそくさと準備をし始めた。
長男の引っ越しを手伝うのだという。
家内は、過保護だ。そして、長男は、過保護のカホオである。
そして、ひとり、関西に移動し。いろいろと、引っ越し以外の所要をこなしつつ過ごしたようである。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
引っ越しの手伝いというよりは、旅行だな。
引っ越しが一段落して、私は家内に、こう言った。リトルkojuroに倣って。
遊びにいったようなもんだな。
すると、家内は、ゆるりと、こう、切り返してきた。
コジくんには、ジェラート、半分こじゃなくて1個まるごと、あげておいたよね。
……。
私は、黙ってマッサージをし始めた。
マッサージをすると、家内は、上機嫌になる。
家内が上機嫌だと、我が家は、明るくて平和である。
だから。
これで、いいのだ。
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