夢の鉛筆【ショートショートnote_12/創作】
11月の中旬、「ショートショートnote杯」という企画があり。私のまわりのみなさんも参加されていて。期限ギリギリになってから、私は、柄にもなく、参加した。
私は本来、期限を守ることができなくて。だから、企画ものが苦手で。創作意欲も薄弱で。そもそも、かなりの背伸びをして、参加した。
そして、そのとき、無駄遣いで購入したグッズが、手元に、ふたつ、ある。ひとつは、田丸さんの著書、「たった40分で誰でも必ず小説が書ける超ショートショート講座」である。
そして、もうひとつが、「小説が書けるカードゲーム。ショートショートnote」である。
家内が言うのである。
コジくん、決して、安いものではないよね。
これたち。
心の中の、リトルkojuroが、項垂れて、呟いた。
何度もそういうことを言われていると、罪の意識に苛まれるなぁ。
こりゃ、書くしかないんじゃない?
「まあ、買ってよかったね。よく、遊んだね」くらい、言われるくらいまで。
ということで、ちょっとずつ、気が向いたら、書くことにした。
さて、カードを、何気なく2枚、切ってみた。すると、こんなカードが、出てきた。
心の中の、リトルkojuroが、ボソッと、呟いた。
今回のお題は、決まったな。
☆ ☆ ☆
公義の家の近くには、夢屋という、不思議なお店があった。魔法の商品が、売られているのである。
例えば、「眠っているあいだに仕事をする小人」は、寝ている間に、箱から小人が出てきて、朝までにどんな仕事でも仕上げてくれる。
月にひとつ、新商品が出されるらしいのだが、誰も、見たことがない。
ある日、店先に、「夢の鉛筆」というものが置いてあるのを見かけた。公義は、店に飛び込んだ。
「これは、何ができるのですか。まさか、書いたことが実現するとか。」
店主は、ニコリと頷いた。
値札には、非売品と書いてあった。ふと触ろうと手を出したが、なぜだか、するりと手をすり抜けた。
驚いて店主の顔を見上げると、そこに、小さな女の子が入ってきた。鉛筆を取り上げ、紙に絵を描いた。ハリネズミは紙から出てきて、丸まった。
おじさんに、あげる。
その女の子の名は、夢といった。
公義の家には、今、ハリネズミが住んでいる。名を、リキという。
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