見出し画像

セミレスキュー

昨年の夏、セミの話を、記事にした。

私が、セミの羽化寸前の幼虫を、木につけてあげるという、話しだ。

たわいもないことを、私は、よく、記事にする。その手の、代表作と言える。


今年も、その、セミレスキューの、季節になった。セミが鳴き出してから、もう、20日くらい経つ。そろそろ、8月の中旬あたりから、めっきり、羽化寸前の幼虫を見つける機会は、激減する。

ことし最後の、セミレスキューの、機会だ。


道を、歩きつつ。

画像1

おっと。見つけた。

段から一度落ちると、もう、羽化する木に登ることができない。

画像2


だから、適当な木に、つけてあげる。

ピトッ。

画像3


心の中の、リトルkojuroが、こそっと、つぶやいた。

別に、恩返しは、求めていないから、な。


セミは、成虫になってから、1週間しか、生きられないと教えられたし、実際に虫かごに入れてしまうと、長くて2,3日で死んでしまう。そして、昔は、図鑑などにも、そう、書いてあった。だが、実際のところ、1ヶ月くらい、生きるらしい。

いろいろな生態研究がなされ、論文もあるが、この、ネットの記事が、面白いので、参照してみる。


岡山の高校生が、実際に、調査をしたという。凄いことだ。


岡山県の高校生の男子が、実際に調べてみたのです。 やり方は、セミを捕まえ、その羽に油性ペンで番号をマーキングして放し、後日、また捕まえてみるというもの。何度も夏の間、調査を繰り返し、アブラゼミ、ツクツクボウシ、クマゼミなど計863匹にマーキングして、そのうちの15匹を再捕獲、さらにまた4匹を再再捕獲したとのこと。そして、調査の結果、アブラゼミ、ツクツクボウシ、クマゼミの3種で10日以上の生存を確認、最長生存確認記録はアブラゼミが32日間、ツクツクボウシが26日間、クマゼミが15日間だったそうです。けっこう長生きしていますね! おどろきました。そして、きっと、ものすごく大変な調査であったのだろうなとも思いました。


いつも思うのだが、人としての偉さ、偉大さというのは、決して、年齢や性別には関係が無いということだけは、確かだ。

負うた子に教えられというが、偉い人というのは、人として、偉い。人としての偉さというのは、要は、心持ちそのものの高さ、ということなのだろう。


これがきっかけになったかどうかは、定かではないが、現在では、だいたい、1ヶ月くらい、生きるというのが、定説である。


だが、セミが卵から成虫になれる確率というのは、極めて低いという。論文を、かなり真面目に探した事があるが、なかなか、それにあたる論文は、見当たらない。なぜならば、セミの飼育は、非常に難しいからで、交尾の観察記録すら、無いに等しいらしい。


また、夜道の歩みを進めると、もう、羽化したばかりのセミにも出くわした。

画像4

下の方には、これから羽化しようとしている幼虫も、いる。

そして、こんな、アクロバティックな羽化をしようとするものも、いる。

画像5

この枝、風に揺れているのだ。かなり激しく。そこで、羽化をしようとしている。

動画のほうが分かりやすいので、無編集の20秒程度の動画を、YouTubeから参照しよう(最後の10秒ほどは、意味がない蛇足映像になっている)。



つくづく、生命力とは、偉大で、かつ、不思議だ。



空蝉。セミの抜け殻のことだ。

画像6

昔の人は、セミが成虫になることが難しいことから、勝運のお守りにしたという。


私は、ついつい、この、空蝉を、毎年、いくつか、集めてしまう。

次女のチーム、出身のチームの勝運を祈りつつ。家内安全を、祈りつつ。


そんなことを思いつつ、うだるような暑さの中、夜道を、帰った。



(注)セミレスキューとは、我が家の造語である。羽化しようとしているセミの幼虫を拾い上げ、木の幹に、ピトッと、とまらせる。セミの幼虫を、助ける。ただ、それだけのことである。

この記事が参加している募集

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?