やもり
我が家には、やもりは、いない。昔の、母の実家に住んでいたときには、やもりをよく見かけた。家の中で。
やもりの子供は、なかなかかわいくて。「やもり」、つまり「屋守」というくらいで、家を守る益虫なのである。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
やもりは爬虫類だから、虫ではないが、な。
うむ。
今の我が家には、やもりがいる。とはいえ、マグネットである。でも、すごくリアルで。昔、家で見たやもりと、ほとんど変わらないくらいである。
だがこのやもり、我が家では、ちゃんと役割がある。家内の鉛筆、つまりは、アイブロウペンシルの、削り完成の合図なのである。
家内は、削って欲しいときに、私のパソコンの前に、この鉛筆を置く。
この光景を見て、心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
コジ、ミッション発動だ。
私の目の前には、いつもの、マイクロテープが置かれている。
お疲れ様。コジくん。
今回のミッションは、女王陛下の鉛筆削りだ。長く使えるように、でも、折れないように、きちんと削って欲しい。
分かっているとは思うが、簡単なミッションだからといって手を抜いたり、もしくは途中で挫折したりして証拠隠滅を図るような、エージェントにあるまじき行為だけは、決してしないように。
例によって、君、もしくは君のメンバーが捕えられ、あるいは殺されても、当局は一切関知しないからそのつもりで。
プシュ〜。
マイクロテープは、消滅した。
そして、ほどなく、ミッション完了。そして、削り完了の合図として、やもりと一緒に、洗面所に置く。
こういうことを、毎月一回、やっている。
だが、今日は、いつも家内が座っているはずのソファーは、空だ。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
さて、皿洗いをしようぜ。
うむ。
昼間のLINEでのやりとりからすると、家内は、元気なようである。
家内が元気だと、我が家は、明るくて平和である。
だから。
これで、いいのだ。
■追記■
面ゆるって、なに?
それは、これ。西尾さんはじめ、みんな、面白い作品をあげていて。
私は、だいたい土曜日の夜に、そこそこの過去記事をあげています。
もしも、お時間があれば、みんなの作品、読んで頂けたら幸いです。
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