ショートショート_解決
新しい年になり、早くも一週間が過ぎた。期間で言うと数字の上では、今年が閏年とは言え、1年のうち、1.9%を過ごし、残り98.1%となった。それこそ鬼が笑うかもしれないが、月日が経つのは、ほんとうに早いものだ。そんな日曜日に、またもや、荒技をやってしまった。
さて、小牧幸助さんの、シロクマ文芸部の最新お題は、木曜日に出る。
そして、今回のお題は、「新しい」から始まる、小説、詩歌、エッセイということで。
そして、たらはかにさんからのお題は…。
表のお題が【会員制の粉雪】 で。裏のお題が【怪人制御冷や麦】ということだ。
お2人の企画は両方とも、膨大な数のファンの方、参加希望者を抱えていらっしゃって。お題を出すだけでも、大変だと思うのである。
それでもお題を出してくれる。毎週。ほんとうに、ありがたい限りだ。毎週、励みになる。
また、今回は、kazeさんの、シロクマ文芸部作品を読んでみた。ちょっとその感想を述べてみる。
いい作品だ。
遠大なテーマの作品を、これだけの僅かな文字数で表現するなんて、凄いと思うのである。宇宙の話だ。その中で蠢く、星を貪る生物の話。
想像力をかき立てられた。
人間の業は、留まるところを知らず。いや、ひょっとするとこれは、いわゆる新人類なんだろうか。人類が滅びようと、星を駆逐する生物は、滅びず。
願わくば、このお話が夢であり。悪夢を払拭して、地球共に平和と安寧を旨として生きていきたいものだと改めて感じた。
今宵も、月に祈ろう。
そして、今週はなんと、小牧幸助さんが、「書き初め20字小説」という、正月限定の企画をやられていて。シロクマ文芸部員の端くれとしては、是非とも参加させて頂かねばなるまい。
■書き初め感想文■
悪の枢軸怪人が奇しくも実験の失敗を解決。
お粗末様で。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
せっかく出していただいたお題を、小牧幸助さんの始まりの言葉と、たらはかにさんの裏表のテーマ、3ついっぺんに書く荒技。まして、シロクマ感想文まで、そして、今回は、書き初め20字小説までと、5重の荒技。あまりにもやりすぎじゃないかな。
うむ。
これで何週間だろうか。まあ、続けられるだけ、続けるさ。
心の中の、リトルkojuroが、また、ボソリと、呟つぶやいた。
なんだか、悪ガキだな。
まあな。
そしてもう一度、心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟つぶやいた。
家族からのお題は、バックアップで書いたの?
うむ。少しずつね。でも、それを投稿する機会がなくなってしまったかも知れない。と、思っていたら、先週、意図せず投稿してしまった。
あらら。
私はこの荒技シリーズを、烏滸がましくも北方謙三張りのハードボイルド風に書き上げたいと思っている。だが、図らずも、コミカルな内容になってしまっている時もあり。今回は、また、その調子になってしまっているようで、実は反省している。ほんの少しばかり。
さて。それでは、本編にまいりましょう。今週の荒技、「解決」約410字を、どうぞ。
☆ ☆ ☆
新しい手を考えてきたのだ。悪の枢軸が。
今までは工作員を使った正攻法を仕掛けてきた。ところが連戦連敗で。
今度は人造怪人を投入しようとしているという。
本部からの情報を得た涼は呟いた。
「仮面ライダーかよ」
泉は、事前情報を掴み中国に派遣されていた。何でも、麦の生産量を激減させて経済を混乱させようとしているらしい。
ある広大な畑の真ん中で、マークしていた怪人が地面に杖を立てた。
たちまち作物が凍てついていく。空気までにも伝播して粉雪まで降ってきた。
監視していたエージェント達は、思わず歓声を上げそうになった。
実は、この耕作地。複数の会員制農業法人が特殊な交配をして超低温に絶えうる品種を実験中だったのだ。ところが記録的な暖冬でその試みが無駄になろうとしていた。それを、あろうことか怪人が瞬時に解決してしまったのである。
即座に本部からの指令が下る。
「そのまま放置せよ」
而して収穫時期。広大な麦畑が、敵の落胆のうちに撓わに稔っていた。
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