誇り
家内から言われたのである。
「子供が父親の会社のことを、良い会社だと思うっていうのは、誇らしいことだよね」
家内がXを見ていて、それを見つけたのだという。
IHIという会社で。昨年、170周年だったらしい。亀が出てくる、また、味のあるCMを流していて。
なるほど、この会社ならば、働いているお父さんご自身も。子供も、会社に親近感を持ち、誇りを持っているのだろう。
家内が言うのに、恐らくは、家でも、お父さんは誇らしく会社生活を送っているような振る舞いの、立派な人なんだろうと言うのである。
あるお子さんが、お父さんが務める会社に、170周年おめでとうの誕生祝いカードを作ったなんて、どこまで素敵な話だろう。その会社に働く父として。そして、その会社の同僚として。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
翻って、コジは、どうだろうか?
ちょっと、それには、言葉が無い。恥ずかしながら。愚痴を言ってばかりだ。私は。
愚痴を言うのは簡単だが。果たしてそれで、何事かが良い方向にいくことがあるだろうか?否、愚痴を言うくらいならば、淡々と主張し、提言し、挫けず粘り強く戦い続けるのが、心ある人の道なのだということは、もとより、わかっているのである。
未来を作るというのは、ほんとうに、一筋縄ではいかないものである。
そう考えると、IHI、石川島播磨重工業という会社は、170年も事業をやり続けている。ただただ、素晴らしい。従業員の子供から、お誕生日カードを送られるというのは、ほんとうに、誇らしい限りであろう。
そんなこんなを語らおうとしてソファーを振り向くと、家内が足を指さして笑って言った。
コジくんは、もう少し粘り強く頑張れば、良い会社に入って、良い仕事ができたはずなんだろうね。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
なんだかそんな風に言われると、真面目に情けなくなってくる……。
人間改めるに遅すぎることはない。今からでも遅くはないはずだ。もう少しでそろそろ新たな年度、4月に入ることだし。せめてこれからでも、生き方を少しずつ変えていこう。
まずは、マッサージを、心を込めて、やろうではないか。
マッサージをすると、家内は上機嫌になる。
家内が上機嫌だと、我が家は平和である。
だから。
これで、いいのだ。
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