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小枝

10月の末、noteの世界を漂っていたら、さぼさんのところで、美味しそうな記事を見つけたのだ。

売っているのは、ビアードパパ。ときどき私は、そのお店でシューリクームを家に買って帰る。

だが最近、ちょっとご無沙汰している。

しかもこの小枝シュー。森永とのコラボで、期間限定のシューだというではないか。

自慢では無いが、私も、家内も。期間限定とか、地域限定。この「限定」という言葉に、めっぽう弱い。


心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、つぶやいた。

確かに、キャンペーンダンサー(注1)の血が騒ぐよな。


リトルkojuroが、そういうか言わないかのうちに、私は、くねくね踊り出していた。


会社の帰り。お店に立ち寄ると、看板が出ている。

キャンペーンダンサーは、「限定」に弱い

電車が着いたところだからだろう。前に、何人か並んでいて。

私は、最後に並んだ。


前の人達は、次々に、小枝シューを、オーダーしていく。

営業時間も終わるから、無くなるんじゃないか?


心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、つぶやいた。

売り切れるんじゃね?



真剣に、やばいっ!と、思った。我が家は、家族5人だ。足りないと、私の配給は、消える危険がある。


私の番になったとき、店員さんに聞いた。


小枝シュー、あと、どれくらいあります?


すると、店員さんは、かがんで冷蔵庫を確認して、もとの姿勢に戻り、マスクの上からでもわかるくらいの満面の笑みで、こう、言った。


たんまり、ありますよ!


私は、こう、返した。


ゴメンね。大量じゃなくて。5本、貰えますか。


そう言うと、店員さんと見合って、2人で、笑った。


帰宅して。家内に報告した。noteの記事から情報を得て。そして家族分、買ってきたよと伝えると、まず、こう言った。

記事のためなんでしょ。そんな、一銭にもならない記事のために。


……。


そして、こう、トドメを刺した。


ポイントカード、つけた?


……。


感謝の言葉は、まるでなく。


心の中の、リトルkojuroが、紛々として、

気に入らない?じゃ、食べない?

と、言いかけたが、すんでのところで言葉を飲み込んだ。


家内は、私の顔をチラ見しながら、こう、さらに、付け加えた。

もちろん、食べるのは、食べるよ。あ、り、が、と。


……。


実は、私は、ありとあらゆるあらゆる食べ物の中で、唯一、シュークリームが、ほんの少しだけ苦手なのだ。今、いわゆる、リハビリをしている。


夜も更けて。お約束の、自主トレ(注1)を申し出た。


マッサージをすると、家内は、上機嫌になる。

家内が上機嫌だと、我が家は、明るくて平和である。


だから。


これで、いいのだ。



(注1)キャンペーンダンサーというのは、私の造語である。ポイ活、クーポンなどの還元キャンペーンや、地域・期間限定という言葉に、踊らされる人のことである。

(注2)私は、家内のマッサージを、よくする。家内に促されずに、自らの申し出で家内のマッサージをすることを、自主トレと、勝手に呼んでいる。


■追記■
面ゆるって、なに?
それは、これ。西尾さんはじめ、みんな、面白い作品をあげていて。
私は、そこそこの過去記事をあげています。
もしも、お時間があれば、みんなの作品、読んで頂けたら幸いです。


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