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「夏の四国あちこちきっぷ」で巡る四国旅 (1日目 その2): 束の間の涼を求めて


前回のあらすじ

飛行機のセールと鉄道のフリーパスの発売期間がうまく重なったタイミングで、四国を旅行することにしました。初日は高知県へ。午前中はアンパンマンミュージアムでやなせたかしワールドを体感してきました。

地元のカフェで昼食

時間はお昼を過ぎ、そろそろランチにしたいところです。アンパンマンミュージアムから駅までは戻らず、途中の高知工科大学でバスを降ります。ここから次の目的地へのバスが分岐しています。1時間ほど待ち時間があるので、付近のお店で昼食にしましょう。

大学からすぐそばの「CAFÉ BOSSA NOVA」さんに立ち寄りました。

CAFÉ BOSSA NOVAさんの外観。

ランチメニューの「牛すじピラフ」(950円)を注文。スープとデザート(コーヒーゼリー)付きです。トーストやパスタのメニューが充実していましたが、朝から時間も経っていますし、ご飯物が欲しかったのです。

刻んだすじ肉が入っています。肉の味もしっかりあって美味しかったです。

地元の方と思われるお客さんが世間話をしている一方で、お一人のお客さんもいて、一人でもグループでも入りやすいお店ということでしょう。大学のすぐ近くということもあり、メニューに「工科大生は50円引き」と書かれていました。学生さんにも人気のお店なのだと思います。

「日本三大鍾乳洞」龍河洞へ

午後の目的地は「日本三大鍾乳洞」に数えられる「龍河洞(りゅうがどう)」。事前に調べているとアンパンマンミュージアムに近いことが分かり、せっかくなので1日で両方を回ろうと思ったのでした。

龍河洞行きのバスは1日5往復。13時台のバスを逃すと次は16時台まで無く、観光するためにはこれが最終バスということになります。カフェすぐそばのバス停から乗車します。

バスはこれだけ。乗り遅れが致命傷に。

10分ほどバスに乗り、龍河洞の駐車場に到着したのですが、そこにはなんと。

「龍河洞リューくん ©やなせたかし」!

そうです、やなせたかし氏がデザインしたキャラクターがここにもいました。高知県にいる限り、この人の支配からは逃れられない模様です。やなせワールド恐るべし。

エスカレーターを上がって鍾乳洞の入口へ。入る前から既に冷たい風が吹いてきます。9月下旬とはいえ気温が30度近い残暑が続いており、少し歩けば汗だくです。鍾乳洞は少々寒いくらいですが、それでもちょうどよく感じます。

入口に「大きな荷物は持ち込めません」といった注意書きがありました。その理由は入ってすぐに分かります。狭い通路、天井の低い通路などが連続します。スーツケースなんて絶対にダメですね。

人によっては通るのが大変かもしれない。
かつて横綱双葉山関がへそを擦ったと言われる場所があったりもする。

こんな珍しい形の石もあります。

この形ができるのにどれくらいの年月が掛かったのか、想像もつかない。

中はかなり涼しいです。

只今の温度 18度。

コースの真ん中あたりを過ぎると「しんどい坂」。その名の通り階段をひたすら上がっていくのでしんどいです。

しんどい坂。どんなネーミング。

龍河洞の中にはコウモリが生息しているそうで、たくさんの鳴き声が聞こえてきます。コウモリってこんな鳴き声だったんだ。

そして、実はこの龍河洞には人間が生活していた痕跡があります。弥生時代の土器のかけらが鍾乳石と一体化した「神の壺」があります。

弥生時代には中に人が住んでいたらしいです。

ゆっくり進んで1時間少しの観光コース。涼みながら歴史にも思いをはせるような体験となりました。

バスで駅に戻って特急に乗ります。アンパンマンキャラクターの赤いラッピング車両が来ました!乗り込むと、天井もアンパンマンのキャラクターだらけです。(乗ったのは自由席車両でしたが、指定席はもっとアンパンマンだらけのようです)

ラッピング列車に年甲斐もなくはしゃいでいるが、まだまだ序の口であることをこの時は知る由もない。

後免駅の周辺を散策

先ほど通ってきた後免(ごめん)駅に戻ってきました。いくつか見に行きたい所がありまして。

後免町駅、愛称 ありがとう駅。

まずは後免町(ごめんまち)駅。後免駅の隣の駅ですが(名前が紛らわしい)、歩いても10分ちょっとです。やなせ氏も「名前が紛らわしいからありがとう駅にすれば」という内容の詩を残しており、愛称「ありがとう駅」となっています。

「ありがとう駅」というタイトルの詩が石碑に書かれています。

「ありがとう駅 やなせたかし」。アンパンマンとともに。

近くの商店街には、アンパンマンキャラクターの石像が7体います。

ばいきんまん&アンパンマン。
近くにジャムおじさん、カレーパンマン、しょくぱんまん、メロンパンナ、ドキンちゃんがいます。

路面電車の走っているあたりの商店街を歩いていると、『手のひらを太陽に』の曲(インスト)が流れてきました。ちょうど17時なので、お家に帰る時間を知らせる音楽でしょうか。作詞がやなせ氏という縁だと思われます。

付近には「やなせたかし ごめん駅前公園」なるものもあります。

見た所、普通の公園ですが…

やなせ氏は、開業医だった伯父の家で少年時代を過ごしたそうで、その伯父の医院跡地に作られたのがこの公園とのことです。後免もやなせ氏ゆかりの地というわけですね。

公園の中には、例によってベンチにアンパンマンのキャラクターがいました。これだけ町にアンパンマンの世界が広がっていると楽しいです。この町に悪い人なんていないんじゃないかと思います。

本日の宿へ

時間も遅くなってきました。今日の宿に向けて移動しましょう。1日滞在した高知県を脱出します。

あれ!?さっき乗ってきたアンパンマン列車?

なんと、また赤いアンパンマンが来ました。さっきの列車は高知駅(後免の次の停車駅)が終点だったので、ちょうどそれが折り返してきたようです。さっきは5分ほどで降りてしまいましたが、今度は1時間以上の移動。列車の内装をゆっくり楽しみました。

琴平駅。もう真っ暗です。

今日の宿は香川県の琴平。「こんぴらさん」で有名な金刀比羅宮(ことひらぐう)がある町です。2回ほどお参りしたことがあります。

宿に荷物を置いてご飯にしましょう。遅い時間まで開いているお店は多くないようでしたが、まだ営業中だった近くの食堂?居酒屋?に行ってみました。

「ハニー雷蔵」さん。食事するもよし、飲むもよし、なお店です。

店内のBGMは、ひたすら昭和の歌謡曲。昭和感を漂わせています。

メニューを見ていると「ご飯ですか?ちょうどササミが揚げたてで、定食できますよ」と。それではせっかくなのでと、メニューには書かれていないササミフライ定食を作っていただきました。

ササミフライ定食。飲み物はジョッキに入っていますがジンジャーエールです。

揚げ物はサクサクで、おかずも品数が多くて美味。大満足です。これで飲み物も入れて1250円とはお得です。すごくフレンドリーな雰囲気のお店でした。ごちそうさまでした。

ということでようやく1日目が終了。このあたりは「こんぴら温泉郷」と呼ばれる温泉地でもあり、琴平に宿を取ったのも温泉が目的でした。案外歩いていますし、次の日に備えて、温泉で疲れを癒やしましょう。<続く>