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「夏の四国あちこちきっぷ」で巡る四国旅 (1日目 その1): この地はあの漫画家が支配している


前置き

夏の四国あちこちきっぷ」という期間限定のチケットがJR四国から発売されました。13000円で3日間、特急の自由席が乗り放題!

実は、同じような乗り放題チケットを使って、10年前に四国巡りを計画したことがあったのですが、事情により実現せず。当時は関西在住でしたが、今は関東住まいになり、四国は遠い土地になりました。しかし、ちょうどANAのセールで羽田から四国行きの航空券が片道9370円になっており、これはチャンスと思って10年越しのリベンジの計画を立てたのでした。

旅の行程

乗り放題チケットの有効期間が3日間なので、できるだけ3日間フルに使って巡るコースを考えました。

  • 1日目は、朝一番に高知空港まで飛行機で行き、周辺の観光地を巡り、翌日の移動に備えて琴平(香川県)に宿泊

  • 2日目は、瀬戸内海側を通って愛媛県方面に移動し、途中下車しながら松山まで移動、道後温泉に宿泊

  • 3日目は、四万十川沿いの景勝を楽しみながら高知まで進み、桂浜に立ち寄ってから帰路につく

そして、途中でご当地グルメをなるべく押さえるようにします。結構スケジュール的にハードで工夫が必要だったので、真似される方はご注意ください…。

いざ高知へ

1日目。朝6時に自宅を出発し、羽田から高知空港へ向かいます(NH561 8:05発→9:25着)。しかし荷物の積み込みに時間が掛かり、さらに滑走路が順番待ちとのことで、なんといきなり20分遅れの出発に。

これはまずい状況です。この後の乗り継ぎがかなりタイトで、乗り換える列車に間に合わないと、巡りたい観光地の1つを諦めることになります。間に合わない状況になったらタクシーで挽回できるか?などと飛行機の中で考えていて、落ち着きませんでした。

「高知龍馬空港」には約15分遅れで到着。遅れているので記念写真を撮っている余裕はありません。予約していた近くの駅までの乗合タクシーと急いで合流します。土佐弁の気さくなおっちゃんドライバーに「列車に間に合いますかね?」と尋ねると「大丈夫やと思う。駅に着いたら階段があるけどお客さん若いから1分で行けるわ」と。

気が気でなかったのですが、列車の発車6分前に土佐くろしお鉄道「のいち駅」に到着。列車に間に合いさえすれば、飛行機の遅れはチャラです。助かりました。

あの国民的漫画家の世界があった

駅前にこんなキャラクターがいました。名前は「のいちんどんまん」。あれ、絵のタッチといい名前といい、どこかで見たような…?

あのアニメ作品を思い出すような?答えは後ほど。

切符を買って駅に入ります。のいち駅の駅名標には、さっきの駅前のキャラクターがいました。

右下にあの有名漫画家の名前が!

「©やなせたかし」。そうです。既にお気づきの方も多いでしょうが、アンパンマンでおなじみ、漫画家のやなせたかし氏がデザインしたキャラクターなのです。やなせ氏は高知県出身。土佐くろしお鉄道には各駅にやなせ氏デザインのキャラクターがいます。ここだけではなく、高知県の各地に氏のデザインしたキャラクターがいます。

3駅先の後免(ごめん)駅で列車を降ります。「後免」は地名なのですが、謝っているような名前から、珍駅名として知られています。聞いたことはあったのですが、訪れるのは初めてです。

またしてもインパクトのあるキャラクターが。こちらもやなせ氏の作です。

「ごめんえきお」君がお出迎え。

キャラクターの下には何やらモニュメントが。「ごめん駅でごめん」という詩が書かれています。「ごめんごめんごめん/ごめん駅へ行こう」で始まるこの詩も、やなせ氏の作。この町にいる限り、やなせワールドから逃れることはできません。まるでこの人が町を支配しているような…。

最初の目的地「アンパンマンミュージアム」へ

後免駅からJRに乗り換え、1駅だけ特急に乗り、土佐山田駅で下車。アンパンマンたちのお出迎えを受けます。改札までの通路も、アンパンマンのキャラクターで埋め尽くされていました。子供はもちろん、大人でもテンションが上がります。

アンパンマン!

ここからバスで乗り換えて行くのが、最初の目的地。「香美市立やなせたかし記念館 アンパンマンミュージアム」です。こちらのバスもアンパンマン仕様です。内装もアンパンマンのキャラクターだらけで楽しいのでお勧めです。

バスにもアンパンマンが!

バスを終点「美良布(びらふ)」で下車し、5分ほど歩くとミュージアムがあります。このミュージアムがあるのはやなせ氏の出身地、高知県香美市香北町。ミュージアムの外にはアンパンマンの遊具やモニュメントがあります。

アンパンマンの遊具。入館する前から既に楽しいですね!

館内写真はブログやSNSへのアップNGとのことなので、外の遊具の写真だけにしておきます。中の展示を簡単に説明しますと、アンパンマンの1シーンをテーマにした絵のギャラリーや、開館当時の写真(やなせ氏がノリノリで写っていたり直筆でコメントを書いていたりする)、アンパンマン関連グッズ(おもちゃなど)があり、地下にはアンパンマン号やアンパンマンの世界のジオラマがありました。色々なルートで部屋を行き来でき、順路もないとのことでしたので、館内を迷路のように行ったり来たり。館内には10箇所のレリーフスタンプが設置されていて、館内で配布されているスタンプカードに押していきます。アンパンマンの世界に入り込んだようで楽しいです。

付近にある「詩とメルヘン絵本館」と共通の入場券なので、そちらにも入ってみました。そちらの展示はアンパンマン以外の作品に関するもので、館名の由来にもなっている『詩とメルヘン』という雑誌(やなせ氏が編集長、現在は休刊)や、時にブラックジョークや人間の行いに対する問題提起なども含んだ「やなせメルヘン」と呼ばれる短編作品がいくつか展示されていました。後者にはSFチックな要素もあり、いわゆる「ショートショート」に近い雰囲気を感じました。

やなせワールドには子供を楽しませるのみならず、大人になってから深さが分かるという凄さがあると思います。滞在時間は両館あわせて約2時間。もう少しゆっくり見ていたかったですが、この後の予定もあるので仕方ありません。

再びこちらのバスに乗ります。

さて、次の目的地へ向かうため、行きと同じバスに乗り込みます。お腹も減ってきました。ぼちぼちランチにしようと思います。<↓に続く>