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目黒寄生虫館

2021年4月14日、雨の中、目黒在住の友人と目黒寄生虫館へ行きました。

 以前、寄生虫の研究者かつ寄生虫館の設立者である亀谷了(かめがいさとる)氏の本「おはよう寄生虫さん―世にも不思議な生きものの話 (講談社文庫)」を読み、館の存在を知ってからずっと行きたいと思っていました。ちなみにこの本は寄生虫の知識や寄生虫にまつわる笑えるエピソードなどが書かれたた非常に面白いエッセイです。寄生虫のことを知らない人でも楽しめますのでぜひ読んでみてください!

 さて、お楽しみの寄生虫館ですが、たくさんの寄生虫の標本がホルマリン漬けで展示されており、聞いたことのあるものや全く知らなかったものなど様々な寄生虫を実物で見ることができます。しかも、寄生された他の生物(宿主)とともに標本になっているので、どの生物のどの場所に寄生するのかがよく分かりました。(トップの写真は肝蛭とその宿主で全国的に広く分布するヒメモノアラガイの標本です。)
 代表的な寄生虫感染症の解説やその予防方法などが詳しく解説してありとても勉強になりました。総じて学んだことは、寄生虫感染を防ぐためには食物や水を生で摂取せず、よく加熱することです。それに加えて虫などには刺されないことです。要するに経口感染と経皮感染を防ぐことです!!!
 私自身のことを振り返ると、サモアやタイに住んでいた時、生の魚介類や水を摂取し、半袖半ズボン(たまに上裸)で生活し、蚊やダニに刺されまくっていたことを思い出し、深く反省しました。寄生虫は自覚症状がないものも多いらしく、すでに体内に飼っている可能性もあるので要注意です。みなさんもくれぐれもお気をつけください。

 ところで、上記の亀谷了氏の本やこの博物館からは、氏の寄生虫学をこよなく愛する研究者としての姿勢が伝わってきて、それを味わうのもこの博物館の醍醐味です。寄生虫学は地味で世間にはあまり知られていない学問ですが、多くの人を寄生虫感染症から救い、たくさんの人命を救ってきた歴史があり、人類にとって非常に重要な学問です。ぜひみなさんも世界で唯一の寄生虫館に訪れ、寄生虫の知識だけでなく、寄生虫学がどれだけ社会に貢献し、重要であるかを知ってもらえたらと思います!!

 寄生虫館は目黒駅から西に目黒川を超えてちょっとのところにあります。駅から徒歩10分程度で、アクセスもよくかつ入館料が無料(亀谷氏の設立当初からのこだわり)ということで、最近はデートスポットにも人気だそうです。みなさんもぜひ!!


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