不安の対処法は、安心を得ようとすることではない！

ビジネスコンサルタントが作った、使えるダイヤグラムシリーズ①

コンサルタント活動をする中で作成した、ビジネスそして日常でも役に立つダイアグラム（diagram）を紹介するシリーズの１回目です。

巷では、新型コロナウイルスによる不安が広がっています。
そこで、不安とその対処法に関して、２×２ダイヤグラムを用いて考えてみました。

図に示したように、不安とは
「未来をマイナスに捉えること」です。
自分が感染したらどうしよう！
トイレットペーパーを切らしたらどうしよう！
現実では未だ起こっていないことに対する思考です。
実際はまだ、感染もしていないし、自宅にトイレットペーパーはある状況です。

一方、苦難は「現在をマイナスに捉えること」です。
発熱が続いて体調が悪い！
家のトイレットペーパーが無くなった！
これらは、実際に起きていることです。

苦難は、行動を起こしやすい！

苦難は、実際に起きているので、行動を起こしやすいのです。
トイレットペーパーが無くなってしまったら、ティッシュペーパーで拭いてトイレが詰まらないように、流さずにビニール袋に入れてゴミ箱に捨てる等の今出来る対処法を考えて行動出来ます。
今困っているので、なんとかしようという意識も強く対処法も思いつきやすい状況です。

不安に対処するために安心を得ようとしても、上手くいかないことが多い。

不安なので、安心を得ようとすることは、極めて自然な思考なのですが、これがなかなか上手くいかないことが多々あります。
不安なので安心しようと行動しても、直ぐにまた不安になり、
「不安→安心→不安→安心→不安」
の無限ループに入ってしまうことが多いのです。
老後の資金として、年金とは別に約2000万円必要であるという記事を読み、不安になって2000万円貯めて安心出来たとしても、平均寿命よりも長生きしたら、2000万円でも足りないのでは？
と直ぐに新たな不安が生まれるのです。

更に問題なのは、未来をプラスにしようと行動しても、結果が出るのは先のことで、即効性に乏しいことがある。という点があります。
老後不安のため、2000万円の貯蓄をするには、かなりの時間と努力を要します。そして、この間、不安が解消されることはないのです。

不安に対処するには、楽しくすること！

不安に打ち勝つ方法は、楽しいことを見つけ、それに熱中することです。
仕事でも遊びでもなんでもいいので、今楽しいと思えることに熱中すると不安は消えます。
人間の脳は、それほど器用に出来ていないので、楽しいことしながら、不安になることは出来ません。
そして、この方法は即効性があり、今すぐに実行可能です。
不安になったら、泥沼にハマる前に今すぐに出来る楽しいことに熱中して、不安を消す。また不安になったら、直ぐに、楽しいことに熱中する。
これを繰り返していれば、不安の入り込む余地がなくなります。

心配事の80％は起こらない！

米国ミシガン大学の研究チームの心配事の実地調査によると、
「心配事の80％は起こらない」という結果が得られたそうです。
さらに、残り20％のうち、16％は準備をしていれば対応可能なもの。
すなわち、心配事がどうにもならい現実となるのは、僅か4%ということになります。
不安になっていることが現実化する確率は低いので、そのためにせっせと時間を費やすよりも、今に熱中する方が充実した人生になると思います。

キーネーシスとエネルゲイア

ギリシャの偉大な哲学者アリストテレスは、運動を２つに分類しました。
キーネーシス：終わりと始まりがある運動で、目的を持ち、目的に向けた不完全な運動で、運動は、過程の一部（プロセス）となります。
例えば、建築物は、絶え間ないプロセスの連続で竣工というゴールがあります。
オリンピックで金メダルを目指すアスリートも、日々の練習は金メダルを獲得するというゴールに向けたプロセスとなります。

エネルゲイア：今していること自体すなわちプロセスそのものが、意味と価値を持つ運動で、明確なゴールは存在しません。
オリンピックに出場したいから、水泳の練習をするのは、キーネーシス的な行動となり、楽しいから水泳をするのは、エネルゲイア的行動ということになります。

不安に対処するには、今の行動そのものが価値を持つエネルゲイア的行動をすること！

安心を得ることを目的として行動すると目的達成を意識し過ぎて、今この瞬間を犠牲しているのと同じとも言えます。
不安ならば、今熱中できることを楽しむエネルゲイア的行動の方が効果的です。
元々、計画性があり、真面目な性格な人ほど、不安になりやすいようです。
不安な時こそ、今に熱中し、今を生きる。これを続けていると、気が付けば随分遠くまで来たなー！という感じで、新たな自分と出会えると思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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