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【読書記録】『出島舶来動物図鑑』

図書館の新刊コーナーで目に留まった本書。
江戸時代に海外から日本へ渡ってきた動物たちの図鑑です。

著者は長崎市出島復元整備室の学芸員、山口美由紀さん。
市の職員さんで、普段は発掘の仕事をされているようです。

日本に運ばれたゾウやラクダ。
当時の日本人はどのように見たのでしょうか。

普段見慣れない、珍しいものは興味を惹きます。
海を渡ってきた動物たちは、長崎から江戸へ旅をします。
多くの人が舶来の動物たちを一目見ようと集まったそうです。

ラクダを見物すると病気が治る、という伝聞が広まり、見世物興行は「関連グッズも売れ行き好調であった」という記述から様子を想像すると、クスッと笑えます。

また、本書は、寸法が入る写実的な江戸時代の絵と現代のイラストレーターが描いた可愛らしいイラストが載っていて、子どもと一緒に眺めるのも楽しいです。
形をしっかりと見て描く次男と最近絵本を自作することにハマっている末っ子に挟まれ、この動物はこうだったんだよ、と学芸員気取りで読み進めました(簡単な言葉に変えて記述を説明しただけ)。
デジマクッキングのコラムも、「こんなのを食べていたんだねぇ」、「めっちゃ豪華」、「美味しそう」などと話しながら眺め、子どもの反応が面白かったです。

また、「さいごに」の部分に命についての本という記述があり、現在は絶滅してしまっている海外や日本の鳥獣たちに思いを馳せました。


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