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闘う人の決意を見た日(2022年12月29日、スターダムを観戦して思ったこと)

 2022年のプロレス観戦納めとなったこの日。思えば、私がプロレスを観たいと思い立って初めて足を運んだのもスターダムで、何だか感慨深かった。

 対戦カードはタイトルマッチのフルコースに加えて、来年への布石と思われる試合も組まれている。
 どれも見応えがあって、「うわぁ」「返せー!」「起きて……!」「まだいける!」等々、心の叫びがこぼれ続けた。
 29分51秒で決着したワールド・オブ・スターダム選手権試合は本当に凄まじかった……。一年の締め括りに相応しい熱量をリングと客席で共有した、そんな感覚になった。

 そんな凄まじさとはまた別に、印象深かった試合がある。
 白川未奈&ウナギ・サヤカ vs テクラ&桜井まい のタッグマッチ。
 白川維新を掲げて以来、私の中では正直なところ「ただのきれーなお姉さん?」から「すごくカッコいい、ワクワクするプロレスラー」へと印象が変化した白川選手。負傷欠場からの復帰戦、期待高まる中、ブロンドのガールズを従えて登場し、白い仮面の下から、髪をバッサリ切ってボブにした姿を堂々とお披露目した。
 登場のインパクトより、勝ちを収めた試合展開より、私の心に残ったのは、試合後にマイクを取って叫んだ白川選手の言葉だった。
「リングで息吸ってなきゃ意味がない!」

 息を吸うとは、呼吸するとは、生きることだ。
 生きて闘う人を、プロレスを通して見るようになって、改めて思う。
 私は生きているか?、と。

 闘う人を見て、ずっと忘れていた身体感覚を少しずつ思い出して、その身体の内にある心を揺さぶられて、こうして語り出して、今の私が在る。
 いつか私も、叫ぶのかもしれない。
 語って、書いてなきゃ、意味がない……と。

 さて、次はどんな試合を観られるかな。

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