摂食障がいの克服120【摂食障がいと生きづらさと、小説のお話】
おはようございます。
山本文緒さんの仲の良い作家さんに唯川恵(ケイ)さんという作家さんがいらっしゃいます。山本文緒さんと同様に賞も取られている有名な作家さんです。
私が20代のころ読んだとある小説のたった一部分です。
ヒロインが当時好きだった男性にお料理を作ります。
しかし、男性が来ないとなった瞬間に冷凍します。そして、確かコンビニに買いに行く。
これってつまり、自分が自分のために料理する価値がないって気持ちなんだろうなあって、ふと思い出すんですよね。
まんまるこまちさんがいつも、ご自身で作られたお料理をひとり宴会しながら食べるというこの、私など(恐らく)摂食障がいを経験するとなかなかのハードルの行為がまぶしいです。
話が変わり、江國香織さんの、『きらきらひかる』という大ヒット小説があります(薬師丸ひろ子さんと豊川悦司さんで映画化されています)。
大好きで何度も読み返しました(『ホリーガーデン』、『左岸』についで好き。なぜ、『ホリーガーデン』はドラマ化されないのか真剣に考えていた時期もありました・・・)
ヒロインは少々アルコール依存症の翻訳家さん。
夫は、同性愛者のお医者様。ふたりは、『契約結婚』のようなものをします。家事はすべてだんな様がします。妻の笑子の仕事は、夫の睦月のベッドのシーツにアイロンをかけること、それだけ。
睦月は医師の仕事をしつつ、笑子にご飯も作るし、掃除も大好きです。(潔癖症)
笑子は、アルコール依存症で少々変わっているので、家にある観葉植物に、アルコールをあげたり。
しかし、笑子は睦月が好き。孤独なんです。睦月とは夫婦ですが、睦月には同性の恋人がいる。
結果的に、笑子は、睦月の恋人の紺くんとも仲よくなったりで、一見平和なんですけれど、これってなんどいうか、それこそホープレスのような・・・。(ホリーガーデンにも、ホープレスな関係が出てきます。)
『ホリーガーデン』は、28歳のヒロイン果歩と昔からの親友静江の物語。果歩は5年前にひどい失恋をして、時が止まったままですが、丁寧に日常を送ります。(というか淡々と)
朝起きて朝食を食べ(バターたっぷりトースト、紅茶、フルーツ)、お弁当持参し、夜もごはんを作ります。しかし、絶対にひとりで食べません。1ヶ月先までスケジュール帳には女友達(静江ではない)の名前がずらっと載っていて、仕事終わりに寄ってもらって一緒に食事します。
そんな果歩を慕う中野君。中野君と果歩も仲よくはなりますけれど、時間の止まった果歩には、保健室でしかなかった。
静江と激しく口論になることもあります。(静江は奥様のいる方とお付き合いをされていて、今後もそれでいいと。それぐらい好きなんだと。・・・私はこの相手に非常に納得が今もいっていませんけれど、もう20年以上も前のお話。)
果歩が5年前つきあっていた男性は、独身だった。でも妻帯者だと嘘をついたんです。逆ならともかく、なぜ。これって女性にはとてもショックなこと。ショックのあまり、スイートホリックという、スイーツを自ら作っては食べて食べて食べて吐いて、がりがりになった果歩。
静江はそんな果歩のそばにもいつも一緒にいた女性。
口論になるときに、静江が『ごめん、言いすぎたわ』と謝る。つまり『ごめんね、ほんとうのことを言いすぎたわ』ということ。残酷なんですよね。正直とか素直とか、思ったことを思った通りに伝えるって、時に残酷です。
友人であれ、知り合いであれ、飲み屋さんの常連さん、ママたちとお客様、また仲良くても、正直に何でも話していたら破綻します。
そういうわけで、人は人にある程度距離を置いて、お互い気遣いつつ、生きていくもの。
ただ、昨日のネル(人に対して相場以上に、隙を見せられない)のように、自分(の心)を『解凍』してくれる人がいるならば、それは自分が正直でいられる場所。
耳があまりよくないことはさておき、『大食いの人』の話を何も懸命にしたいわけでもない。ただ、本質的なことだとか、例えば自分の経験や気持ちや、それを大声で話したいわけでもない。だからあきらめる、というお話でした・・・。
私はよくしゃべります。けれど、本当に話したいことが話せません。
生き方が不器用だから・・・・・。
今週、今後どのようにお仕事をするかとか決まると思うのでそこは、それこそ懸命に努力します。やっぱり人に喜んでもらえることが、お仕事の基本だから。
もしも表面しかみない・・・例えば、『死んだあとに後悔しないように、片づけてるとか、・・・そう言ってる間は死なないね』とか、例えば、『自分、あなたみたいな人無理なんです』と本当に数分話しただけでのジャッジとか、・・・『けっこう食べるね』『太ったね』ということばが摂食障がいの症状抱えたり、HSPだったりするとかなり突き刺さりますが、スルーすべき、ことばだと思います。表面みて正直に話す人はいるけれど、そうじゃない人もたくさんいる。
本気で私の断捨離は、大げさにいうと、終活だから。
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