Plastic Tree(好きなアーティストについて語るシリーズ)

音楽遍歴をまとめるのとは別に、自分の好きなアーティストについてただただ雑感を述べ続ける記事も書いてみたい。
ということで1組目のアーティストはPlastic Treeを取り上げる。

このバンドの存在を初めて知ったのは、アニメ金田一少年の事件簿のエンディングテーマ?として流れていた『Sink』である。
今でこそ『Sink』は大好きな曲の一つだが、この時はそれほど惹かれず、「変わった歌い方をするボーカルだなぁ」というくらいにしか思っていなかった。
余談だが、金田一少年の事件簿はLaputaの曲が主題歌になっていたこともあり、なかなか選曲が攻めていたと思う。

結局この後もバンドの存在は知っているが、特に好きなバンドと呼べるほどの関心も持たないままに月日が過ぎる。

そして、このバンドにハマるきっかけとなったのがアルバム『ウツセミ』だった。
このアルバムを何となくTSUTAYAでレンタルし、一曲目のインストを経て二曲目の『うつせみ』(曲名の方はひらがななのだ)が流れてきた時に衝撃を受ける。

この頃の自分は大学生で、周りに音楽に詳しい友人も増え、様々なジャンルを聴くようになっていた。その中でも、シューゲイザーというジャンルに何とも言えない恍惚的な魅力を感じていたのがちょうどこの時だったのである。

『うつせみ』の音像は、まさにシューゲイザーと呼ばれるもの、そのものに感じられた。
これを日本のバンドが、しかもV系にカテゴライズされることも多いバンドが演奏しているというのは衝撃的だった。

そして改めて『Sink』を聴くと、これもめっちゃシューゲイザーやん!となるのである。

ここまで書いてみて気付いた。これって自分の音楽遍歴とほぼほぼ同じじゃないかと。これ以降はPlastic Treeというバンド自体について書いていこうと思う。

このバンドはメジャーデビューしてからドラマーの交代が2度あり、3人の異なるドラマーが叩いている。
個人的にはドラマー交代のタイミングで音楽性というか音像が大きく変化したように感じた。

初期ドラマーのTAKASHIさんの時代(トロイメライまで)は、バンドのアンサンブルが全体的にグシャっとしている。グシャっとしているというとなんだかネガティヴな感じがするかもしれないが、そのような意図はない。良し悪しではなく、バンドとしての音の解像度が何となく低く感じるのだ。

そしてこの時期の音像は、Plastic Treeが最も影響を色濃く受けたであろうUKロックのバンドが持つものに最も近いと思う。そこに何とも言えない良さがあるのだ。マニアックかもしれないが『オルガン』という曲を聴いてみてほしい。すごくグシャっとしているが、カッコいい。稚拙な表現だがUKっぽい。

ここからドラマーが二代目のササブチさんに交代すると、一気に音の解像度が上がる。初期と比べると、とてもスッキリしたように感じる人が多いのではないだろうか。

音の解像度が上がることによって、竜太朗さんのボーカルが際立つ曲が増えた。あ、これは歌ものだなと一聴して感じる曲も増えたように思う。
ただ、音がスッキリしたからといって他のバンドとの差がなくなってしまったわけではない。初期と同様にUKっぽさを感じるような楽曲もたくさんあり、それが他のV系バンドとの差別化を図る大きな要因になっていたのではないだろうか。

そして、現在もドラムを務める3代目の佐藤ケンケンさん。ケンケンさんに交代してからのバンドサウンドは、とにかくギター。あ、このギターはアキラさんだわ、と一聴してわかるような曲が増えた、というかほとんどだと思う。

バンドサウンドを全体として見た時に、ギターの占める割合が他の3人のパートよりも明らかに大きいと感じるようになった。
ギターのアレンジの多彩さ、巧みさ、これが今のPlastic Treeだよね!という風に感じている。

これはともすればネガティブなこととして受け止められてしまうかもしれない。ワンマンバンドにならんとしているのではないかと。

でもそんなことは全くないと思っている。
一聴して耳に残りやすいのはギターだが、竜太朗さんのボーカルの癖、歌詞の味わい深さ、リーダーの骨太なベースに、リーダーにしか書けないであろう初期からのPlastic Treeらしさを引き継いだ曲、ケンケンさんの前ドラマーとはまた違う手数の多いドラムに、他のメンバーとは違った感性での作詞作曲。
雑多なまとめ方になってしまったが、4人の存在感は保たれた中で、今はギターが目立つ時期なんだろう。

以上の時期ごとの違いについての意見は完全なる主観である。
ひょっとしたら今のPlastic Treeを聴いて、「いやいやギターよりもボーカルとドラムの目立つバンドだよね」と感じる人もいるのかもしれない。もしいたら是非話を聞いてみたい。

ここまで書いて、一つのバンドについて語るのはとてつもなく難しいことなのだと気付いた。特に本当に好きなバンドに関しては。

流石にこの記事はこの辺りで切り上げて、次はアルバムごとか、メンバーそれぞれを取り上げて記事を書いてみようと思う。

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