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馬脚を出したメディア

はじめに

ここ最近、メディアではジャニーズ問題が取り上げられています。被害者の救済や社名変更することとなりましたが、どうもこの報道姿勢に違和感を覚えます。第三者委員会の報告では、性加害問題を黙殺したメディアにも問題があると指摘されています。メディアでそれを取り上げ、反省しているかのような雰囲気を出していましたが、どうも反省しているようには思えませんし、ジャニーズ事務所側に再発防止を求めているだけに留まっているように思えます。こういう芸能ネタを取り上げるのは好きではないのですが、メディアの姿勢がどう考えてもおかしいと言わざるを得ません。今回はジャニーズ問題で再認識させられたメディアの姿勢について書いていきたいと思います。

再発防止はメディアがすべき

ジャニー喜多川氏の性加害問題は当初イギリスのBBCで取り上げられました。その映像はSNSで出回っていましたが、その時のメディアは沈黙を貫いています。そこから、かなりの時間が経ってから、性加害問題を取り上げるようになりました。性加害問題を取り上げてからというもの、正義のヒーローぶった態度を取りました。その問題を取り上げ、被害者を放置してきたジャニーズ事務所が悪いと断言するかのような姿勢でした。
ジャニー喜多川氏による性加害問題について第三者委員会の調査により、性加害があったことは事実で、さらにその数は数百にも及ぶとのことでした。そして、そのような凶行を黙殺したメディアも性加害問題の片棒を担いでいたと結論付けました。メディアでも、この内容は取り上げられていました。しかし、自らの非をすべてジャニーズ事務所に擦り付け、ジャニーズ事務所は再発防止策を策定しなければならないという流れになりました。ジャニー喜多川氏は故人で彼による性加害問題は二度と起こりえません。確かに今後同様の問題が別の人物によって起きないという保証はありませんが、ジャニーズ事務所側は再発防止に躍起になる必要はそこまでありません。1回目の記者会見で不十分ということで、社名変更をしろと言い出す始末です。
むしろ、再発防止をすべきなのはメディアの側で、体制自体を変えるのもメディアです。メディアは黙殺してきた張本人であり、性加害問題をなかったことにし、性被害者はいないことにしていました。ジャニー喜多川氏によって起こされた問題はジャニー喜多川氏が亡くなった今では絶対に再発することはありません。しかし、メディアは今回のような問題が別のところで起こったとしても、また黙殺する可能性があります。メディアが今回の問題で一番反省すべきで、再発防止に取り組まなければならない側です。ジャニーズ事務所に求めていることと同じことを自らがしなければならず、ジャニーズ事務所の会見が甘いなどと説教をしている場合ではありません。今回の問題はジャニーズ事務所の問題であるかのように取り上げられていますが、一番の責任はそれを黙殺し、今になって手のひらを反しているメディアです。ジャニー喜多川氏が存命の頃に性加害問題に関する判決が出ているにもかかわらず、それを取り上げてはいませんでした。ジャニーズ問題でメディアは自らの責任をすべてジャニーズ事務所に擦り付けようとしているとしか思えません。

信頼は凋落の一途

ジャニーズ問題を大々的に取り上げ、自らが正義のヒーローを気取っているのかもしれませんが、国民の大半は彼らの責任をジャニーズ事務所に押し付けているようにしか映っていませんし、メディアの自浄作用がまったくないことを再認識させられたと思います。メディアはこれでもかというぐらいジャニーズ事務所やジャニー喜多川氏を悪者にしていますが、メディアもその当事者であるという自覚が全くありません。むしろ、メディアも一緒になって問題解決に取り組む姿勢を見せるべきです。今の彼らを見て、正義のヒーローだとは思いませんし、国民はそんなことで騙させません。
オールドメディアの信頼は凋落の一途をたどっていると言われて久しいですが、以前にも取り上げたようにその原因は自らにあり、自らの姿勢を改めない限り、信頼を回復することはできません。むしろ、今のままで信頼を回復できるわけがありません。
政治問題に対する報道姿勢にも問題はありました。芸能問題は特に大きな問題ではないので、大したことはないと思っていましたが、今回のジャニーズ問題で、ついにメディアに何かを報じる資格がないと思わされるようになりました。彼らの手のひら返しは伝統芸ですが、それが生前と死後で変えるというのは人として一番してはいけないことですし、卑怯なことです。まともな倫理観のない組織がまともに報道できるわけがありません。
ジャニーズ問題で明らかになったことはジャニー喜多川氏の性加害があったことよりメディアの信頼が地に落ち、回復はほぼ不可能であることで、同様の問題が起こっても、同じ態度を取り続けるであろうということです。彼らは一切自らを省みず、ジャニーズ問題を単なるネタとしてしか考えていないでしょう。そんなメディアが信用できるはずがありません。弱者の味方に見せかけて、強いものに媚び、弱者をいじめるのは一番の卑怯者がすることです。その卑怯者はメディアです。

最後に

数年前にメディアで「忖度」という言葉が取り上げられ、話題になりました。当時の総理大臣の忖度がモリカケ問題を生んだとメディアでは取り上げられていますが、実のところ、非常に怪しく、残っている記録を見る限りではでっち上げに近いです。メディアは時の権力者に忖度しなければならないのかと批判していましたが、それを自らが実践していたことを数年後に明らかにすることとなりました。あの時の言葉は自らがしているからそのような言葉が出たのではないかと思ってしまいます。ジャニーズ改革を声高に叫んでいるメディアですが、一番改革が必要なのはメディアです。メディアが変わらない限り、何も解決はしませんし、メディアは本来、忖度などせずに報道すべきなのに、本当に怖いところには一切足を踏み入れませんでした。メディアの今の姿勢はどう考えても弱い者いじめしかできない卑怯者で、本当に強いものには媚びへつらうことがわかりました。彼らの姿勢が報道の自由度を奪っているのですよ。

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