#40 鏡について
毎晩アルコールを飲むことと、元々トイレが近いということもあって、夜中にトイレに行くことが多い。
それはなんてことない話で、もよおしたのなら迷わずトイレに行けばいい。
僕はもう30歳を超えている。夜中に一人でトイレに行くことなど怖くない。家の外にトイレがあって大きなもちもちの木があるわけでもないのだから。
なので一人でトイレに行く。しかし、これに躊躇するときがある。
それは時間帯による。夜中に目が覚めて時計に目をやる。これが1:30とかなら全然へっちゃらなのだが、3:33分前後とか4:44分前後となると後10分経ってからトイレに行こうかなとか考えちゃう。
これは昔からの習性というやつだ。ホラー話や学校の怪談で出てくる『3』や死を連想させる『4』という数字。大人になった今でもちょっぴりびびってしまうのだ。
そしてその時間の10分前後は避けるようにしている。
3:25分に目覚めても用を足している間に3:33分に差し掛かるかもしれない。それにお化けが10分ほど余裕を持って早めに準備をしているかもしれない。分かっている。なんだかおかしな言い分だということは重々承知だ。まるでお化けがシフト制かの扱いのような空想だ。それでも『3』と『4』のゾロ目の恐怖は恐ろしいほど僕の中に刷り込まれている。
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