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実家

実家を実家だと呼べるのだろうか。

そう思っていたのは割と最近のこと。


両親が引っ越しをすることになった。

今まで20年以上も住んでいた街から、割と、遠く離れて。

余談ではあるが、私自身も今年になって
ようやくひとり暮らしを始めたばかり。
皆が言う、帰省の感覚をようやく理解し、馴染ませてきたところ。

そんな矢先での実家のお引っ越し。
大きな環境の変化、大変楽しみではある。

ただその反面、

実家が実家ではなくなる??
居心地が変わる??

さて、どういった感覚を持てばいいのだろうか。
よく分からない感覚と疑問が常に浮かんでいた。


つい先日のこと、新居へ赴く機会がようやくできた。
大まかな引っ越しを終えた両親のもとへお手伝いをしに。


電車を乗り継乗り継ぎ、降り立った地。
そのエリア自体が私にとって、初めましての場所であった。

改札を出て地上へ繋がる階段を上がっていると、
既に待っていた父の姿を確認。
いつもと変わりはないのだが、少しだけ、なんか新鮮な感じ。

近況を話しながら、新居へと向かう。
家のチャイムを鳴らすと、少し弾んだ母の声。

お邪魔するなり目に飛び込んできたのは、
こだわりを沢山にも詰め込まれたとても素敵な空間でした。

部屋の随所に、2人の好みがしっかりと反映されているのがよく分かる。
自分の家ではないのだが、なんだか微笑ましく嬉しく思ってしまった。

昼食を挟みつつ、両親それぞれ、引っ越しまでの
エピソードをいっぱいに抱えて話してくれた。

父が言う。
「これな、ソファから足を伸ばしてみたらこの椅子がオットマン代わりになってくれんねん。」
私が言う。
「あ、ほんまや、楽々やなー」
怠惰な2名の図が。訪れて早々に完成されてしまった。


なんだか変に考えてたようで、拍子抜けして内心笑ってしまった。
実家はどこへ行っても実家なのだなと妙な納得感に安心感。
何なら提供してもらったお部屋で1泊、熟睡させてもらうほど
落ち着く環境でありました。


そして何よりも、両親が多忙ながらもウキウキと、
新たな環境を楽しんでいる姿を見ることができたのが何よりだ。
もっともっとこれから楽しんでほしいと思う。

次の元旦には改めて帰省する。
2人が楽しめるお土産でも携えながら赴いて、
のんびり過ごさせてもらうとしよう。



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